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「100万円からの空き家投資術」 高橋洋子さんに聞く(1)

100円で一戸建てが買える!? いまこそ始めたい空き家投資術(2/3ページ)

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地方には、たった100円で買える一戸建ても!

——取材されていて印象に残ったことはありますか?

実はいま、首都圏でも500万円以下で買える家がゴロゴロしています。東京都大田区で一戸建てをわずか150万円で買った男性や、渋谷区では一戸建てを500万円で買った女性もいます。決して特殊なルートで物件を探し当てたのではなく、誰でも見られるインターネットの不動産サイトで見つけたそうです。彼らは安く手にいれた空き家で、家賃収入を得ているのです。

また、神奈川や埼玉で豪邸ともいえるような立派な一戸建てを、競売のなかでも期間内に買い手がつかなかったときに行なわれる「特別売却」や、持ち主が国税を滞納したために国税局や税務署が差し押さえた不動産などを売却する「公売」といった方法で激安で入手したケースも取材しました。

これは素人ではなかなかマネができない方法だとは思いますが、私も競売サイトや自治体による公売情報などを調べてみました。首都圏でも千葉や茨城なでは一戸建てが100万円以下で出ていましたし、公売でも中央線沿いのマンションが500万円以下で出ているのを見つけることができました。もちろん、安すぎる物件にはそれなりの理由があるのですが、手の打ちようはあるはずです。

東京では競争が激しいですが、地方に行けばもっと格安の家が売られています。たとえば、富山県では一戸建てがたった100円で買える「100円不動産」というサービスがあります。空き家や空き地の定期巡回サービスを行なっている「NPO法人とやまホーム管理サービス」が取り扱っています。

どうしてそんなに安いのかといえば、「いくらでもいいから受け継いでくれる人を探している」という人がいるからです。実際にタダで家をもらえるケースもあり、私の知人で、近畿地方の空き家を1軒、0円で手にいれた投資家がいます。

いざ売ろうとしても値段がつかなかったり、そもそも不動産業者が近くにいなかったりすることで、空き家を抱えて困っているんですね。しかも、2015年に施行された「空き家特別措置法」によって、倒壊の危険がある空き家は、固定資産税が6倍に跳ね上がることになりました。切実な悩みを抱えて、格安でも手放したいと思っている人が少なからずいるのです。

収入が低くても大家になれる!

——空き家投資を始めるにはチャンスといえそうですね。しかも、少ない額で始められることも魅力に感じます。

不動産投資や賃貸経営というと、かつては富裕層や地主さんしかできませんでした。融資を受けてアパートなどの投資物件を手に入れるにしても、その人の返済能力が審査されます。大企業に勤めていて、今後も長く安定した収入があるような人でないと始められませんでした。

ですが、空き家投資の場合は、タダ同然の100円から、首都圏でも500万円以下で物件が手に入ります。100円不動産の場合、建物・土地費用は100円でも、登記費用や補修工事などに費用がかかりますが、それでも100万円あれば人が住める状態にすることができます。たとえ派遣やパート、無職の人で、金融機関からお金を借りられなくても、貯金を使って現金一括払いで始めることができるのです。

パート主婦でありながら、2年間で一戸建てを5軒取得し、月の家賃収入30万円を達成した人、年収290万円のサラリーマンが5年で7物件を取得し、副業の株と家賃収入で年収1000万円を超え、ついにサラリーマン生活を卒業した人もいます。

なかには、空き家の所有者から家を借りて、初期費用をほとんどかけずに空き家投資をしている人もいます。空き家の所有者と直接交渉して預かり、掃除やリフォームをして入居者を見つけます。家賃が入ってきたら、数万円を所有者に支払い、残りが自分の収入になるというやり方です。

ただ、この方法は誰にでもできるというものではなく、本人のキャラクターや交渉術によるところが大きいようです。そのやり方をマネしようとした私の知り合いは、60軒の空き家オーナーを訪ねて、1軒も貸してもらえなかったそうですから。

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この記事を書いた人

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