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「Airbnb条例」を手放しで喜べない本当の理由

「最低宿泊日数7日」という規制がAirbnbをダメにする!?(2/2ページ)

尾嶋健信尾嶋健信

2016/03/23

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Airbnb可能物件も増えている

とはいえ、訪日外国人旅行者数が爆発的に増えているいま、時代の流れは「民泊容認」の方向へと大きく傾きつつあります。事実、大阪府や東京都大田区では、旅館業法の特例として、外国人旅行者向けの民泊を認める条例が可決され、現安倍政権も国家戦略特区として外国人向け民泊を認めています。大阪府や大田区では、認定を受ければ外国人向けの民泊が、堂々と営業できるようになっています。

こうした動きを受け、大阪府や大田区以外でも、賃貸マンションやアパートで「Airbnb可能物件」が増えてきました。つまり、オーナーが転貸をあらかじめ認めている賃貸物件が増えてきたのです。オーナー側からすれば、たとえ転貸されるとわかっていても、いつまでも空室を抱えているよりはマシだと考え始めたようです。

しかし、喜んでばかりはいられません。大阪府や大田区でも設備などに一定の縛りがあるほか、最も大きな縛りとして「最低宿泊日数を7日以上とする」ことが決められています。この宿泊日数の縛りは大きく、宿泊日数が7日間以上ないと貸せないとなると、外国人旅行者などにそうした需要がどこまであるのかは不透明です。

現在のところ、Airbnb条例や国家戦略特別区域法には罰則がありません。しかし、宿泊業との絡みもあり、どこまで規制が緩和されるのか、逆に規制が強化されてビジネスとしての魅力がなくなってしまうのか、それとも現在のグレーさがそのまま残ってしまうのか…。そのあたりは不透明さが残ります。やはり今後の行政の動きを注視していかなければなりません。

果たして、こうした民泊事業は、わが国の不動産業界において、今後定着していくのでしょうか。次回はそのあたりについてお話ししたいと思っています。

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この記事を書いた人

満室経営株式会社 代表取締役

1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。

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