優しいプロの声とオーナーが慌てたエピソード ペット不可のつもりが契約書ではOKに(3/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2021/06/01
オーナーは大の鳥嫌い 賃貸併用住宅なのにどういうわけか「ペットOK」に…
ところで、以前体験した、賃貸住宅でのペット飼育に絡んだちょっとしたハプニングについて、皆さんにお伝えしておこう。
それは、「ペット不可」を厳しく徹底したい意向のオーナーの物件が、どういうわけか「ペットOK」になっていたという、不思議な展開のお話だ。
答えを一気に言おう。そのオーナーの物件の入居者募集を担当していた仲介会社が使用していた賃貸借契約書が、
・国土交通省の標準契約書をひな型にし
・なおかつ、そのなかのペットに関する規定には手を加えていないもの
だったのだ。実は、この「標準契約書」をそのまま使うと、ペットに関しては、貸主・借主間で、以下のような約束が交わされることになる。
「犬、猫は飼ってはいけないが、観賞用の小鳥、魚などであって、明らかに近隣に迷惑をかけるおそれのない動物は飼ってもよい」
見てのとおり。文鳥やセキセイインコなどといった小鳥については、どう読んでも、飼育はOKだ。
それだけではない。ハムスターやモルモット、ウサギ、もしかするとトカゲや毒のない小型のヘビなども、「近隣に迷惑をかけるおそれのない」動物に当たる可能性は高いだろう。
「犬・猫だけでなく小鳥もダメ」「熱帯魚を飼う大型水槽など部屋に置かれて、地震のときにひっくり返ったらどうするんだ!」と、いった場合は、標準契約書を丸写しにせず、条文にはしっかりと手を加えておかなければならない。
そのうえで、実は、この物件のオーナーは大の鳥嫌いだった。重いアレルギーも持っていた。物件は賃貸併用だった。オーナーと入居者は同じ建物に住んでいる。
たまたま、会話のなかで、「オーナーさんの物件では小鳥は自由に飼えますよ」と、お伝えしたことで、「えっ、まさか!」の流れになったわけだ。
幸い、その時点で入居者さんに小鳥を飼っている人はいなかった。爬虫類や魚なども、飼っていた人は一人もいなかった。オーナーは、慌てて仲介会社に連絡し、契約書の文言を改めてもらったようだ。
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