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繰り上げ返済か、新たな物件購入か――マンション投資の失敗しない見極め方(2/2ページ)

斎藤 岳志斎藤 岳志

2021/04/09

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金融機関からの融資を受けるには?

では、金融機関の立場から考えた場合は、繰り上げ返済か、積極運用かどちらがよいと考えるでしょうか。

これはそのときどきの経済状況によって、違いがあります。

有り体に言えば、景気全体がよければ、積極的に借入には前向きですし、逆に悪い場合は融資には後ろ向きになります。また、2019年にあったかシェアハウスのかぼちゃの馬車のような社会が注目する不正融資事件があると、借入が厳しくなることもあります。

ただ1つ言えるのは借入の残高があっても手元資金がある人には、融資がしやすいということはあります。

金融機関からすれば繰り上げ返済をされてしまえば、返済から得られる利息収入が減ってしまいます。また、返済が難しい状況になってしまった場合、担保になっている物件を差し押さえて回収するよりも、手元にある預貯金をおさえたほうが手間をかけず対処がしやすいということもあります。

分かりやすく言えば、2000万円の預貯金がある人に対して、2000万円の融資をするのは金融機関にとって限りなくリスクが低くなり、貸しやすいということになるわけです。

繰り上げ返済か、再投資かということについては、どちらが正解で、どちらが間違いというものはありません。それぞれの考え方があり、そのときどきの社会情勢によっても違ってきます。これこそがまさに投資判断になります。

ただ、前にもいったように、なんのために大家になったのかという目的を明確にして、それに照らし合わせてみること。そして、自分なりの資産バランスの基準を作っておくこと――の2点に照らし合わせて考えることで、その答えが見えてくると思います。

 

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この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

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