ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

360°経営戦略 事前の調査や研究、論理的に考えることが事業を順調に継続させる(2/3ページ)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

——どういった点におもしろさを感じたのでしょうか。

組織の中で働いていると、⾃分の意思だけで動くことはできませんよね。決定・⾏動までに、いくつもの過程を踏まなければなりません。しかし、賃貸経営は⾃分⾃⾝で考えて⾏動できる。そして、その結果をある程度早く⾒ることができます。そういった点におもしろさを感じました。

——その後も物件を購⼊していったと思いますが、1棟⽬の経験を⽣かすことができましたか。

08年に2棟⽬を購⼊しました。国⽴⼤学近くの学⽣向けの物件です。

2棟⽬に関しても、リスクがなかったわけではありません。⼤学⽣向けの物件なので、春の⼊居シーズンを逃すと1年間空室になる可能性が⾼いこと、これから少⼦化が進んで⼤学⽣の数が減るかもしれないといったこともリスクとして捉えていました。しかし、その物件をもともと所有していた投資会社の経営が悪化して安く売りに出されていたこともあり、リスクをしっかり把握したうえで購⼊しても⼤丈夫だろうと判断しました。おかげさまで経営も順調でした。



「晴れの日の太陽光、雨の日のコインランドリー」久留さんの行う全天候型の経営方法

天候も味⽅に 複数事業を展開

——そんななか、公務員はいつごろ退職したのですか。

09年にさらに2棟購⼊して、その年の12⽉に退職しました。

——初めての不動産事業にしてはかなり順調なスタートのようですが、なにか秘訣はあったのでしょうか。

賃貸経営に限ったことではありませんが、なにかを始めるとき、私のなかでまず⽬的を設定します。そして、そこに向かうために仮説を⽴てたり⽅法を考えたりするのです。物事を論理的に考えるタイプなのだと思いますが、それで⼤きな失敗を回避できているのかもしれません。

——そもそも学⽣時代に研究を⾏い、県庁でも研究の要素があるお仕事だったそうですね。「研究する」という感覚が事業に⽣かされているのかもしれませんね。また、賃貸経営だけでなく、太陽光発電事業、コインランドリー事業も⼿掛けています。これらの事業も順調に進んでいるようですが、どのような事前調査や前準備をしましたか。

太陽光発電は12年、コインランドリーは14年に始めました。太陽光については収⽀を計算したり、事業としてのおもしろさを感じたりしながらかたちを作っていきました。ただ、晴れているときには売上が上がるのですが、⾬や曇りの⽇が続くと厳しくなります。そんなとき、⾃分の家の前にあったコインランドリーに⾬の⽇にお客さんが多く来ることに気付いたんです。それで、この事業についてインターネットなどで調べることはもちろん、実際に、そのコインランドリーにどのくらいのお客さんが来ているのか、1週間くらいカウンターを持って調査してみました。お客さんの⼈数や客単価などを計算して、やり⽅によっては事業として成り⽴つだろうという結果にたどりついたんです。

——研究の結果、晴れの⽇の太陽光、⾬の⽇のコインランドリー、全天候型の経営が成り⽴っているんですね。ほかにも事業を⼿掛けており、たくさんの資格もお持ちのようですね。

事業としては、⺠泊や貸会議室などもやっています。資格は随時いろいろ取得していますが、これは事業を⼿掛けるにあたっての勉強でもあり、また⾦融機関などへのアピールの役割もあるのです。やはり、⾦融機関からの融資を受けるためには、知識をしっかり持ち、⾃分⾃⾝できちんと説明ができ信頼されることが重要だと考えています。

次ページ ▶︎ | 管理会社や⼤家仲間とのつながりも⼤切 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

ページのトップへ

ウチコミ!