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消費者庁が注意喚起 ベランダ…窓…「子どもの転落事故」に賃貸住宅オーナーも注意を(2/2ページ)

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対策はベランダそのものではなく「手前」に着目する

そこで、こうした危険なベランダがすでに存在する物件においては、オーナーはどう対策すればよいのだろうか。

工事を行い、安全なかたちに変えられればそれがベストだが、そうもいかない場合は(いく場合でも)、ベランダそのものではなく、「手前」に着目するといい。つまり、ベランダに通じる窓や網戸に、補助錠を取り付けるのだ。

子どもの手が届かない高い位置に補助錠を設置し、子どもが勝手にベランダに出られないようにすることで未然に事故を防ぐことができる。ただし、このケースでは、補助錠の存在する理由(ベランダにそもそも危険が存在するという事実)、火災時には逆に避難の障害になる可能性がある(施錠時、子どもだけではベランダに出られない)といことを親御さんに理解してもらうことが必要だ。そのことにより、「幼い子どもを部屋に残したまま外出しない」など、基本的な安全意識を高めてもらうきっかけにもなる。

次に、窓だ。

窓からの子どもの転落リスクに関しては、ベランダ以上に、オーナーが気を配っておくべきことがある。それは、部材や部品の劣化、さらに故障や脱落だ。

とりわけ網戸は鬼門だ。通常、窓のもっとも外側で日光や風雨に晒されるため、かなりの速さで劣化する。そのため、子どもが寄りかかったり、もたれかかったりしたところ、もろくなっていた網が破れ、そこから落下する事故が起き可能性もある。

あるいは、網は破れずとも、部材・部品の劣化や、故障、脱落によって、網戸自体が窓枠から外れやすくなっていると、やはり事故の原因となる。築古物件では、こうした状態がよく見られるので注意を怠ることはできない。

さらに、網戸だけではありません。窓本体に関しても注意は同様だ。劣化していないか?  はずれ止めなど、部品の故障や脱落が起きていないか? それらをしっかりと見極めてから、部屋を貸すのが、オーナーのつとめででもある。

管理会社任せ、ましてや仲介会社任せの丸投げはNGだ。網戸、ガラス窓、雨戸、いずれにおいても、「開け閉めの際にガタつく」「引っ掛かりがある」と、いった症状が見られるときは、劣化や故障が起きているサインとみなし、厳重警戒する必要がある。

なお、前述の「子どもの手が届かない位置への補助錠の追加」は、通常の窓においても、幼い子どもの入居が想定されるファミリー物件では、導入したい事故対策といえる。 

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