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122年ぶりの民法大改正 その基本とポイント(1/6ページ)

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イメージ/123RF

■世界の潮流は大陸法から英米法へ

日本ではじめて民法が制定されたのは、1896(明治26)年のこと。それから121年目の2017年5月、この民法が大改正された。改正では債権に関する規定が全面的に見直され、売買、賃借、委任、請負、保証人などの契約や損害賠償請求や解除など、取り引きの実務に影響が大きいといわれている。なぜ、いま民法改正なのか。

「外からくるプレッシャーからやらざるを得なくなったということでしょう」

こう話すのは不動産実務に詳しい弁護士の吉田修平さんだ。そのうえで吉田弁護士はこう説明する。

「グローバル化が進み、世界的にも物事が瞬時に動くようになりました。結果、売買のルールも国際化、グローバル化せざるを得なくなっています。しかしながら、わが国の売買契約のルールは世界の標準とはズレてきてしまった。そこで売買のルールを世界標準に合わせようとしたのが今回の民法改正で、それと合わせて賃貸借のルールについても同時に行われました」

明治期につくられた日本の民法は、先に規範としての概念(条文)があり、それに起こった現象を当てはめていく大陸法(シビル・ロー)が元になっていた。しかし、世界の民法のスタンダードはイギリス、米国の経済力が強くなるにつれ実際に起こったことや事象を評価・判断していく判例を法体系の中心にした英米法(コモン・ロー)になっていった。加えて、グローバル化が進んだことで、大陸法を元にした日本の民法では対応が難しくなりつつあった。つまり、「大陸法から英米法」というのが、今回の民法大改正なのである。

その典型的な例が、日本での取り引き契約でしばしば見られる「瑕疵担保責任」というものだ。吉田弁護士はこう話す。

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