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なんでもありのシェアハウス「かぼちゃの馬車」トラブル(1/5ページ)

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■シェアエコノミーと 人気のシェアハウス

ここ数年シェアエコノミーが注目されるなかで、その典型例として新しい出会いやコミュニティの場としてシェアハウスがクローズアップされてきた。そんなこともあってかドラマや映画では、ちょっと小粋でおしゃれなシェアハウスが舞台設定としてしばしば登場している。現実のシェアハウスでも、広いリビングに居住者が集まり、そこに住む人が集いコミュニケーションをとったり、女性専用、子育て世帯専用といったもの。ワークルーム、音楽用スタジオなど仕事場や趣味のスペースを設けた個性的なシェアハウスが登場し、人気も高い物件もあるようだ。その一方で不動産投資において、アパートやワンルームマンショに比べ、高い収益が得られるとシェアハウスへの関心が高まっていた。

そんな矢先の2018年1月、「かぼちゃの馬車」というブランドで投資用女性専用シェアハウスで急成長していたスマートデイズが、30年間のサブリース契約していたオーナーに対して、家賃支払い停止を一方的に通知。これをきっかけにシェアハウス投資をめぐる問題が一気に表面化、社会問題になっている。とはいえ、このスマートデイズをめぐっては、17年10月下旬からオーナーに対して、借り上げ家賃の減額請求がはじまっており、オーナーの間からは不安視する声が出ていた。

そもそも日本のシェアハウスは、外国人旅行者などが長期滞在する「ゲストハウス」からはじまったものだった。こうしたシェアハウスは入居の際の仲介手数料や保証人が不要、家具や家電も完備され入居者のメリットが大きいと注目が集まった。その一方で、オフィスや倉庫を1~2畳のスペースに仕切り、居住用シェアハウスとして貸し出す違法貸しルーム、いわゆる“脱法ハウス”が横行。この対策として、国土交通省は13年にシェアハウスは「寄宿舎」に該当すると見解を出し、脱法ハウス規制を行った。しかし、この寄宿舎の基準があまりに厳しく、すでにワンルームマンションや戸建てといった居住用住宅を改造したシェアハウスまでも脱法ハウスになってしまうためシェアハウス業界は、この規制の見直しを求めていた。

その後、15年に東京都が戸建て住宅、マンションを転用したシェアハウスの規制を緩和。シェアエコノミーの高まりとも相まって、住宅型のシェアハウス投資が大きく広がっていくことになる。実際、スマートライフ(スマートデイズの前社名)の売上も15年7月期の20億円・営業利益は4900万円から16年7月期には売上180億円・営業利益12億円と売上、利益を急激に伸ばし、20年には上場を目指していた。

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