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「地上げ屋さん」の事件についての検証

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今回で、「地上げ屋さん」 については一旦最終回にしようと思います。今回は、「地上げ屋さん」 関係の事件を覚えてる方も沢山いると思います。中には 「ひどい事をするな~」 と感じた方も多いと思いますが、ではそんな時法律的にはどうなるのかをお話ししたいと思います。因みに、殆どの事件が その筋の方々絡み の話しばかりですが...。

 

1.ダンプカーで、家に突っ込んで家を半壊させた件

 

~結果は、誰にでもお分かり頂けると思いますが何の解決にもなりません。基本、犯罪行為ですから 例え借地権の方で、事件で家が全壊していたとしても、建替えが可能です。地上げどころか、建物が新しくなってしまう分地上げ屋さん側に何のメリットもありません。

 

借地権の場合、通常は土地を借りている地主さんから承諾をもらい、承諾料などを払わないと建替え・更新などが出来ませんが、犯罪で壊された様なケースの場合、地主さんが承諾しなくてもそれに代わる承諾を出してもらう事が出来ます。詳しくは、法務局に相談すればOKです。因みに、放火された場合も上のケースと同じ形です。

 

※上のどちらのケースも、権利的には何も解決できません。

 

建物のみの権利の借地権のケースでも、建物がどんな無くなり方でも権利がなくなるなんて法律が存在するはずもなく、権利者との関係が悪くなり、結局 事業は継続できなくなります。素人より酷いやりかたですね。

 

2.地上げして出来た空き地等に、ニワトリ小屋を作る~

 

本当に感心します。 次から次へと...。要するに、地上げのエリア内の空き地にニワトリ小屋や、やたら吠えるドーベルマンなんかを、小屋に入れて飼う嫌がらせの類です。

 

当時は、新聞やテレビのニュースなどでも報じられました。当然、普通に考えて何の効果もあるはずがありません。あえて効果があるとすれば、 「事業が出来なくなる」 事でしょう。マスコミがほっておくはずないですよね。その会社は、マスコミから叩かれて、住民の反感を買って頓挫した話でしたね。あたりまえですね。

 

※権利的には何の問題もなく、何故そんな事か普通におこっていたのかりかいできません。しかし、精神的には参ってしまいそうです。弁護士などを雇って、損害賠償..ですね。

 

3.詐欺行為で不動産の売却契約をさせられてしまった件~

 

~これは巧妙です。もともと詐欺師と言う方々は、誰がどこから見ても怪しく見えない立居振舞に余念がありません。肩書き、容姿、取引関係、話し方、気前の良さ、人間性と、完璧に見えます。

 

もちろん、全てウソの場合がほとんどですが。人間の弱み、その利用法などが巧みですからこちらの目が利益・欲などで曇っていたらそれこそ、相手の思うつぼです。わたしも、何人かの そういった方 にお会いした事がありますが、全員 非の打ちどころのない人物に見えました。ですから、そういった非の打ちどころのない人物とこんな場面でお会いしたら、相手の話しや相手の出す資料だけを鵜呑みにせず、必ず裏をとりましょう。

 

多分、それしか手がありません。自分に多大な利益がある...そんな話を手放しで受け取ると今でもニュースを騒がせている 投資話やねずみ講 などと同じ目に合ってしまうかもしれません。

 

利的な話も、この手の話は非常に難しくなります。なにせ、結果 ご自身が 「契約したり、署名したり」しているので、相手の詐欺を立証しないといけませんから。更に、例え裁判に勝ったとしても、相手が無一文になっていた場合、お金も帰って来ません。

 

前回もお話ししましたが、人間の欲というのが一番恐ろしい結果をもたらします。みなさんも気を付けてください。誰にも相談しない方の方が、騙されやすいそうです。

 


【地上げ屋さんの記事まとめリンク】

「不動産業にもいろいろあります」のお話し

「地上げ屋さん」の仕事の話し

「地上げ屋さん」の仕事について まとめ

「地上げ屋さんの件の実際にあった事」

バブル期の六本木と今の地上げ屋の方法・違い


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この記事を書いた人

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