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「地上げ屋さん」の仕事について まとめ

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前回のブログで、「地上げ屋さん」の仕事について大体、想像は付いたかと思います。「地上げ屋さん」に対応する為に~良くある話ですが、今までにお話しした通り「地上げ屋さん」 が入ってくる場合には、大体事前にそのエリアの方々にわかりますので、隣近所の方々がみんなで団体交渉しようと、話合いをして 備えている場合があります。ただ、そのやり方は 私が見てきた限りですがうまくいったケースを見た事がありません。

 

なぜ? うまくいかないのか? いくつか状況を冷静に説明しましょう。

 

  1. 個々の家の事情が全く違う
    ~説明するまでもありませんが、収入状況、家計状況家族の事情、などなど考えても限りなく多くの要素があります。
  2. 個々の権利状況も別々です。
    ~こちらも当たり前ですが、個々の権利状況は同じである事の方が珍しい事です。
    土地の大きさや、道路に面している状況、権利の違い(所有権や借地権、共有での所有)等と...。
  3. 同じエリアの方でも、仲の悪いかたもいる
    ~書いた通り、仲の良くない人も大抵はいるものです。
    共通の敵が一時的に、それを忘れさせはしますが危ないですよね。 普通に考えても...。

 

簡単に書きましたが、この状況での 団体行動???得体の知れない 「地上げ屋さん」 に対抗する為という目的しか共通点が見当たらないですね。これは、無謀としか言えません。「地上げ屋さん」 は、時間をかけて調査をして、計画を立てて来ている上に、その道の「プロ」なわけです。大体の場合、隣近所には話せないけど お金が欲しい方や、売りたい方なども必ずいます。

 

そのような方から順次交渉が進み、仲間と思っていた人が一人抜け、二人抜け...。最後は、誰が味方やら敵やらわからなくなり、瓦解してしまうそんな形が多いです。それも、地上げと言う事業自体が結構長い1年とか2年という事業になりますから、精神的な負担の期間も長くなります。

 

更に、交渉が難航して相手に諦められた場合、実際には諦めたわけではなくインターバル的な時間をあけられた場合でも、その精神的な負担は大変です。結局、団体で交渉すべきお話ではないですね。個々の状況、事情が違いすぎます。「私は何があっても、絶対に話合いに乗りません!!」と言う方以外は、交渉に乗って話合いをした方が結果、良いと思います。

 

今でも、あちこちに1件や2件の家を残して、大きなビルやマンションに取り囲まれ建っている土地を見かけます。正直、環境の激変で住んでいる方もまれで、では売却しようとしても、大抵は小さな土地ですから利用価値が低く売れない場合が殆どです。

 

では、どう交渉していくのがBESTなのか~

 

まず、大切なのは 「自分の家族を中心に考える」事。ご自身の事情を整理する事は、最重要課題です。住宅ローンや借入などは、どのくらいあるのか...ネットなどで、自宅は幾らぐらいで売れるのか...などの簡単に調べられる範囲は準備しましょう。その上で、出来れば 「地上げ屋さん」 の入ってきた当初から積極的ではないが、交渉次第で応じるくらいの姿勢でお付き合いしましょう。

 

基本、「地上げ屋さん」 も当初は感触をつかみながら丁寧ですし、事業自体の未来を占う期間ですからある程度、協力的な方に優遇もしてもらえます。だからと言って自分からあまりにも積極的すぎるのは逆効果です。お金が欲しくてショウガナイと足元を見られてしまいます。

 

そして、重要な交渉要素の 「買取金額は相手から提案」させるのが、当然BESTです。その上で交渉する方が有利になります。当たり前ですがくれぐれも事業の最後近くまで粘るのは、お勧めしません。「自分は精神力には自信がある」 という方は別として基本、相手も人間ですからある程度友好的に話合いを進めるのが、精神的な負担も少ないです。

 

それと、もう一つ重要なのは、交渉状況を外部に漏らさない事も大切です。お金の絡んだ 自分の家庭を守る 交渉をしているので赤の他人に気軽に話すのも、うまくありません。「壁に耳あり障子に目あり」 ですね。自分の交渉に影を落とす様な事もないとはいえません。

 

実際、過去に周りの家なんかどうでもいいから、自分だけ優遇しろ! なんて人もいましたから...。外では、知らぬ顔で近所付き合いをしてました...。お金が絡むと怖いです。早く脱出したほうが、良いケースは多かったですね。

 

ちょっとわかりにくかった方の為に次回は、本当にあった お話をしようと思います。

 


【地上げ屋さんの記事まとめリンク】

「不動産業にもいろいろあります」のお話し

「地上げ屋さん」の仕事の話し

「地上げ屋さんの件の実際にあった事」

「地上げ屋さん」の事件についての検証

バブル期の六本木と今の地上げ屋の方法・違い


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この記事を書いた人

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