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ベランダを掃除して!

入居者さんへの防災の呼びかけで、オーナーのリスクも減らせます(2/2ページ)

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■家具が倒れないようにしてください!

家具の転倒による圧死は、地震による死亡原因の多くを占めています。特にワンルームや1Kなどでは、重いタンスや本棚の目の前で寝ている入居者さんも多いはずです。入居者さんの命を守り、同時に物件を災害で人が亡くなった現場にはしない。そのためにも家具の固定を呼びかけましょう。家具転倒防止器具の提供をオーナーさん自らがされてもよいほどの重いリスクです。

■ベランダに風で倒れるもの、飛ぶものを置かないようにしてください!

今年(2019年)9月の台風15号による被害では、千葉県市原市のゴルフ練習場の鉄柱が民家の上に倒れるなど、強風が猛威をふるいました。こうした状況の中では、ベランダに風で飛びやすいもの、倒れやすい物があると、それらが掃き出し窓のガラスを破り、室内へ雨が吹き込むなどの被害に直結します。ベランダにそうしたものを置かないよう、ぜひ入居者さんに呼びかけてください。

■停電時はロウソクを使わないでください!

現代人の多くは、ロウソクの扱いにあまり慣れてはいません。そこで停電時に慌ててロウソクに火を灯し、火災を起こす例が見られます。2018年に北海道で地震が起き、長時間の停電に見舞われた際は、消防庁が、「直前の台風21号による停電地域で、少なくとも3件ロウソクが原因と思われる火災が発生している」旨、注意喚起を行っています。

入居者さんにロウソクの危険性を知らせるとともに、電池式のランタンなど、災害時用の灯りの確保をぜひ呼びかけてください。

■避難時はブレーカーを落としてください。通電火災に注意を!

自然災害により停電が起きたあと、電力の復旧とともに生じる「通電火災」の危険性が指摘されています。停まっていた電気ストーブが再び動きはじめたところ、そこに倒れかかってきていた物に火がつくなどが典型的な例です。

同様に、水没し、濡れた家電が、通電によってショートすることもあります。入居者さんには、停電した状態で部屋を離れる際は、必ずブレーカーを落とし、家電のコンセントも抜いておくよう呼びかけてください。

■大きな地震の直後はトイレを使わないでください!

大きな地震のあと、揺れによってトイレの排水管が破損していることがあります。そこで水を流すと、水や排泄物の漏れや逆流が起こり、それらが居室や物件内を汚す可能性があります。「大きな地震のあとは、排水管の破損が無く、下水道も機能していることが確認されるまでは、トイレの使用は中止」をあらかじめ入居者さんに呼びかけておきましょう。非常用の簡易トイレをオーナーさんが準備、配布しておいてもよい案件です。

以上、いずれをご覧いただいても判るとおり、入居者さんが災害への対応力を増すことは、そのままオーナーさんの資産が守られることにもつながるのです。

オーナーさんも入居者さんも、ともに必要な保険に加入しておくという、事後のセーフティネットももちろん大事ですが、普段からの呼びかけや、防災グッズの用意といった事前の備えも同じように大切です。

(文/朝倉継道)

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この記事を書いた人

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