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3分の1が空き家に

空き家がもたらす生活スタイル将来像(2/3ページ)

川久保文佳川久保文佳

2018/12/04

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空き家対策への世田谷区の取り組み

今回は世田谷区の取り組みに注目してみたいと思います。

世田谷区は地域の絆を大切にした地域の街づくり計画とともに空き家の対策にも積極的に取り組んでいます。

世田谷区は、区役所と一緒に一般社団法人世田谷トラストまちづくりが、空き家等の地域貢献活用の事業として、空き家対策に取り組んでいます。区内にある空き家等(空き家、空室、空き部屋)を地域の資源と捉えて、空き家等の地域貢献活用を目的として、空き家に対する相談窓口も開設し、さまざまな取り組みをしています。

この取り組みから、いくつかの活用事例も増えてきています。

空き家を活用した事例は平成25年から14例を数えます。高齢者福祉交流のためのスペースや子育て支援の家、生活困窮家庭へ向けた子どもの学習支援のシェア住宅、食育支援など多岐な取り組みがされています。

時には、空き家等活用ゼミナールとして、空き家のワークショップやオリエンテーション、グループワークを通じて、空き家問題を自分の身近に捉えて、取り組み方を実践に近いかたちで考え、活用方法を探っていきます。

これらは、実際の空き家として活用できそうな事例をもとに解決策へと導いていくために、空き家問題を実際のこととして捉える貴重な体験になります。

積極的に取り組んでいる世田谷区のような自治体がある一方で、ようやく、空き家に対する取り組みを行おうという表明をした自治体もあり、空き家への問題意識はまだまだスタートしたところです。

さて、昨今 シェアハウスへの過剰な融資が問題視されました。銀行の貸付に関して、個人の収入評価以上の貸付などで問題が発生し、多くの被害者を生みました。

11月29日に、みずほ銀行が、住宅ローンの適用条件の見直しを行うという取り組みが発表されました。これまで、民泊用途の場合、通常の住宅ローンは適用されず、利率の高いローンに限られていましたが、今後は自宅部分の床面積が50%以上あれば、民泊用途でも全額住宅ローンを適用できる取り組みを国内で初めて開始していく意向を表明しました。

いずれも、新築優遇の融資だけではなく、さまざまな付加価値ある不動産資産への銀行融資の取り組みのスタートであってほしいと感じます。

次ページ ▶︎ | 今後、空き家率について

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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