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不動産購入時に経費にならない支出(2/2ページ)

渡邊浩滋渡邊浩滋

2016/06/13

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2.固定資産税の精算金
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を保有している方に課税されるもので、年の途中で売却しても、納税義務者は変わりません。

そのため、不動産の引渡し時には、買主に引渡し以降の固定資産税の負担をしてもらうために、その固定資産税分を売主に支払うことで精算をします。

この精算金は、固定資産税そのものの税金ではなく、売買の慣習で行っているものに過ぎません。

ですから、税務上は、固定資産税の精算金は、売買金額の一部として取り扱うことになっています。したがって、建物に係る固定資産税の精算金は建物に、土地に係るものは土地に計上することになります。

3.初めて賃貸経営をする場合における賃貸開始する前の借入金の利息
所得税法基本通達38-1の規定によると、「固定資産の取得価額に算入する」とされています。

つまり、必要経費ではなく、土地や建物などの資産に計上することになります。土地を取得するための借入金であれば、土地の取得価額に、建物を取得するための借入金であれば、建物の取得価額にそれぞれ計上します。

賃貸を開始した後の期間に対応する借入金利息は、必要経費に計上することになります。なお、賃貸物件を取得するための借入金の抵当権設定登記費用、借入金の担保とした保険金の保険料についても、賃貸を開始する前に対応する部分は資産計上になります。

きちんと経費になるもの、ならないものを把握しないと、思わぬ税金になることがあります。予測を立てて、余裕をもった確定申告をしましょう。

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この記事を書いた人

司法書士・税理士

渡邊浩滋総合事務所。大家さん専門税理士・司法書士。渡邊浩滋総合事務所代表。「行動する大家さんの会(AOA)」発起人。 大学在学中に司法書士試験に合格。大学卒業後総合商社に入社。法務部として契約管理、担保管理、債権回収などを担当。退職後、税理士試験に合格。実家のアパート経営(アパート5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚し、経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出。資産税専門の税理士法人に勤務後、2011年12月独立開業。税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動中。従来のような確定申告書だけ作成する税理士ではなく、経営・財政・税金の観点から提案をする不動産専門の税理士・司法書士です。 [著書]「税理士が教える節税Q&A」(TAC出版刊)、「大家さんのための超簡単!青色申告」(クリエイティブ ワークステーション)他。 [担当]不動産登記 渡邊浩滋は個人間直接売買において決済完了後に登記手続きを行います。

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