ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

お金は「道具」に過ぎない ——『FIRE』著者 クリスティー・シェン、ブライス・リャン インタビュー(3/5ページ)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

それは、私たちがリタイアメントのためにこれらの投資をしているということです。重要なのは「低い指数で買って高い指数で売る」ということではありません。基本的に「買って売らない」のです。

FIREの投資哲学とは、例えば金やビットコインなどのようにお金を稼ぐために市場で取引をするというのではなく、債券やインデックスファンドなどを保有し、利子や分配金などを得て生活を続けるというものです。

お金は人生で重要なものを手に入れるための「道具」

——そもそも早期リタイアメントのきっかけは?

クリスティー・シェン:現代社会では、人間関係や幸せよりも仕事を重視する絶対的なカルチャーがあります。とにかく懸命に働かなければならないし、親はあなたに、「高給の仕事に就いて家を買いなさい」と言うでしょう。そのような考えに逆らうことは非常に難しいことです。

しかし私が私自身の人生を変えるための決心をしたのは、同僚が机の上で死にかけているのを見たからです。日本には過労死という言葉がありますが、それを実感しました。彼は3年間、1日14時間の連続勤務をし、ある日突然倒れ病院に搬送されたのです。医者が言うには、彼の健康状態はとても悪く、1日に2箱のタバコを吸っているような状態だったそうです。

そしてちょうど1週間後、彼は仕事に復帰しました。

みんな何事もなかったかのように振る舞っていました。もし何事もなかったことにするなら、ワークライフバランスとはいったいなんでしょうか? ワークライフバランスそのものを否定したのです。この教訓から私が得たのは、人生の一面だけに集中してほかのことはどうでもいいと思ってしまうと、人生そのものを棒に振ってしまうということです。

会社のために自分の人生を犠牲にして家族と過ごす時間を捨てる。そして65歳まで働く。しかし実際に65歳まで生きる人がどれほどいるのでしょうか? 仮に65歳まで生きられたとしても、その時点で完璧な健康状態にある人はどれほどいるでしょうか?

次ページ ▶︎ | FIREのコンセプトは自分の人生において何を優先させるか 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

サブスクリプション動画配信メディア『Uchicomi+(ウチコミ!プラス)』は賃貸経営・不動産投資をメインに動画コンテンツをお届けします。さらに、それらの情報のみに留まらず、日本経済から世界経済、最新ビジネスの情報など、さまざまな識者の見解を現在進行形のオーナーや、これから不動産投資を始めたいと考えている方にお伝えしていきます。https://uchicomi.com/guide/owner/plus/

ページのトップへ

ウチコミ!