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三淵家――大河ドラマ『麒麟がくる』でスポット? 知られざる一族の足跡(2/2ページ)

菊地浩之菊地浩之

2021/01/13

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複雑な名門・細川家の婚姻関係

三淵の本家・藤利は細川の叔父に育てられ、江戸幕府の旗本になったが家禄は1000石止まり、分家筋にあたる朽木家は細川家に仕えて3000石、郡家は2000石を賜り、子孫は藩の要職を歴任した。いずれも叔父・細川家のお陰である。

藤利の妻と、忠興の側室・郡氏が姉妹だったことが示すように、一族間の婚姻関係は複雑に絡み合っている。忠興と郡氏の間に産まれた娘・古保(こほ)は、筆頭家老・松井家に嫁いでいるが、そもそも松井家は忠興の養母の弟・松井康之を事実上の家祖とする。

また、意外に知られていないが、忠興が細川姓を名乗っているのは、実父・藤孝が細川家の養子になったからではなく、養父が細川姓だったからだ。

忠興の養父・細川輝経は管領細川家の支流にあたる名家だが、藤孝の養父・細川晴広は六角氏の支流といわれ、忠興から見ると「どこの馬の骨か分からない」家系だった。ところが、江戸幕府から系図を提出するように命じられ、あわてて藤孝を管領細川家の支流にあたる和泉半国守護の養子とする偽系図を作ったのだという。

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この記事を書いた人

1963年北海道生まれ。国学院大学経済学部を卒業後、ソフトウェア会社に入社。勤務の傍ら、論文・著作を発表。専門は企業集団、企業系列の研究。2005-06年、明治学院大学経済学部非常勤講師を兼務。06年、国学院大学博士(経済学)号を取得。著書に『最新版 日本の15大財閥』『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』『徳川家臣団の謎』『織田家臣団の謎』(いずれも角川書店)『図ですぐわかる! 日本100大企業の系譜』(メディアファクトリー新書)など多数。

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