ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

『ターミネーター』の“正式な続編”がついに公開

28年前に残された疑問、そして、新たなドラマ展開がはじまる(2/3ページ)

兵頭頼明兵頭頼明

2019/11/08

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この作品のスマッシュヒットにより、シュワルツェネッガーはハリウッドを代表するアクションスターとしての道を歩み始め、キャメロンは『エイリアン2』(86)の監督に抜擢され大成功を収める。

そして、満を持して製作された続編が『ターミネーター2』(91)であった。製作費は前作の640万ドルから1億ドルへと大幅アップ。文字通りの超大作として製作され、全世界興行収入5億2,000万ドルというメガヒットを記録する。
その後『ターミネーター3』(03)『ターミネーター4』(09)『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(15)とシリーズは続き、2008年には『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』というテレビシリーズも製作されたが、『ターミネーター』の権利を手放したキャメロンは製作にタッチしていない。 キャメロンの手を離れたシリーズは、製作すべきではなかった。『ターミネーター』第一作および第二作のポテンシャルと完成度は望むべくもなく、シリーズは尻すぼみとなってしまった。

前置きが長くなったが、本作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は『ターミネーター2』の正統な続編である。第一作から35年が経過し、ようやくキャメロンの元に製作権利が戻ったのだ。キャメロンは製作とストーリーを担当し、リンダ・ハミルトンがサラ・コナー役に復帰した。もちろん、T-800型ターミネーター役はアーノルド・シュワルツェネッガーである。監督は『デッドプール』(16)のティム・ミラー。

ハミルトンとシュワルツェネッガーが28年ぶりに顔を揃えるのは映画ファンとして嬉しい限りだが、『ターミネーター2』でT-800型ターミネーターは溶鉱炉に沈んだはずではなかったか。人類が滅亡する「審判の日」は回避されたはずなのに、なぜサラ・コナーは戦い続けているのか。本作はそういった疑問に答えるとともに、新たなドラマを展開してゆく。

新型ターミネーターREV-9(ガブリエル・ルナ)と、迎え撃つ女性兵士グレース(マッケンジー・デイヴィス)が登場。鍵を握る女性ダニー(ナタリア・レイエス)を巡って凄まじいアクションが繰り広げられる。もちろん、そこにはサラ・コナーとT-800型ターミネーターも加わり、スリル満点のジェットコースター・ムービーになってゆくという趣向である。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

映画評論家

1961年、宮崎県出身。早稲田大学政経学部卒業後、ニッポン放送に入社。日本映画ペンクラブ会員。2006年から映画専門誌『日本映画navi』(産経新聞出版)にコラム「兵頭頼明のこだわり指定席」を連載中。

ページのトップへ

ウチコミ!