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自然災害補償付き住宅ローン 補償範囲と補償内容の基本(2/2ページ)

平野 敦之平野 敦之

2020/04/03

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■自然災害補償付き住宅ローンと火災保険・地震保険の違い

生命医療についても住宅ローンの上乗せ補償があることはお話しましたが、こうしたことを聞くとこれがあれば火災保険の必要性が下がるのではないかと考える人がいます。

基本的な考え方として補償される範囲と補償される期間が違うと考えると分かりやすいでしょう。一般的な火災保険や地震保険は、被災した際にその住まいを元の状態に戻す(火災保険)あるいは被災後の生活再建のために加入するものです(地震保険)。

また火災保険は自然災害以外にも火災やガス爆発、水濡れ(漏水事故など)、盗難、その他偶然な事故による破損汚損などまで幅広くカバーします。

これに対して自然災害補償付きの住宅ローンは、返済に困ったときにその返済を支援するのが主旨です。ローンの返済が免除されることで家計は助かりますし、その分の住まいの修復などに充当することはできますが、住宅の再築や修理などの金額が補填されるわけではありません。

また住宅ローンの返済を支援する主旨ですから、補償される期間は住宅ローンの返済までとなります。住まいは売却しない限り一生涯使い続けるものですから、それ以降はこの部分だけでは補償がなくなってしまいます。

あくまで火災保険や地震保険のプラスアルファという位置づけで考えてください。

■自然災害補償付きの住宅ローンのポイント

新たに住宅を購入、新築する人などが対象となりますが、知っておきたいポイントがあります。一般的にこの補償を付帯するには上乗せ金利がかかることです。

金融機関によりますが、0.1~0.5%程度の金利が上乗せされます。通常は地震などに特化して50%免除されるタイプの方が、上乗せ金利は高く設定されています。また金利に上乗せされるため住宅ローンの返済中はずっと支払いが続く点にも注意が必要です。

住まいのリスクは、物件の場所は構造などによって色々変わります。場所によっては水害のリスクが高い、低いあるいは地盤が強い、弱いなどさまざまなことに注意することが大切です。その上で補償を手厚くする方法の一つとして自然災害補償付きの住宅ローンなどもあると考えてください。

(文/平野敦之 画像/123RF)

 

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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