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意外と見落としがち?

相続の際の火災保険の名義変更(2/3ページ)

平野 敦之平野 敦之

2019/07/26

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火災保険は相続財産になるのか?

親の実家を相続した場合、親が契約していた火災保険契約に資産性があるなら相続財産になります。わかりやすいように2つに分けると積立型の火災保険か掛捨型の火災保険かで取り扱いが異なります。

・積立型の火災保険
積立型の火災保険は、資産性という観点からいうとほとんど貯蓄と変わりません。相続の発生に伴う解約返戻金相当額が相続財産になると考えてください。

実務的には、現在は各損害保険会社とも積立型の火災保険の販売はほとんどしていません。昨今の低金利の関係もありますが、掛捨型が主流になってかなり年数が経ちます。損害保険会社で積立型の火災保険に契約している人はかなり少ないはずです。

但し、例えばJA共済がメインで販売している「建物更生共済むてきプラス」は積立型です。こうした契約がある場合には少し手続きに手が掛かると考えてください。他の共済だとこくみん共済co-op(全労済)や県民共済などは、1年掛捨型なので基本は名義変更手続きだけで処理することになります。

・掛捨型の火災保険
掛捨型の火災保険については、お金が戻ってくる部分がなければ、相続財産にはほとんど関係ありません。例えば1年契約で保険料が月払いなら積立になる部分はありません。相続に伴ってやっておくことは、名義変更手続きだけです。

ただし、掛捨型の火災保険でも注意が必要なことがあります。具体的には長期契約で保険料を一括払いしているケースです。

現在火災保険の契約は10年間が最長です。しかし2015年9月末までは36年間の契約ができました。住宅ローンの借入期間に合わせて火災保険を長期契約、保険料を一括払いにすることが以前は一般的でした。特に親世代のマイホームの火災保険ならこのパターンは珍しくありません。保険料を長期間で先払いしているので、解約返金が発生するからです。

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この記事を書いた人

平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー

東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp

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