もしも自分がコロナに感染したら…だれに子どもの面倒を見てもらう?
しばはし聡子
2021/09/01
イメージ/©︎fizkes・123RF
コロナ感染者がなかなか減らず、みなさん不安な日々を過ごされているのではないでしょうか。
仕事も家事も育児もすべてひとりでまわしているシングルマザーの方は、もしも自分自身がコロナに感染したら……と思うとより不安になりますよね。万が一のときに備えて、だれを頼ればいいかシミュレーションしておくことも大切です。
パッと思いつくのが両親。日頃から両親の手を借りている方はもちろん、子どもが病気のときに親を頼ることもありますよね。ただ、ここで問題なのが、濃厚接触者である子どもを高齢者の両親に預けることのリスクです。両親も心の奥では身を捧げるくらいの思いで覚悟を持って面倒をみてくれることになるのかもしれません。
また基礎疾患を持っている場合には、より慎重にならなくてはならないですよね。となると、できれば声をかけずに済ませたいところです。
次に日頃から助け合っているのが近所のママ友。仕事で遅くなったり、どうしても子どもを預けなくてはいけないような急用ができたときに、お互いに支え合えるママ友の存在はとても心強く貴重な存在です。ただ、コロナとなると話は別。買い物をして玄関に届けてくれるということはしてくれても、さすがに家に入って子どもの様子を見てくれたり子どもを預けるということは難しくなりますし、そもそも頼みにくいですよね。後方支援はしてくれても直接子どもの面倒をみることをお願いするのは気が引けるものです。
となると……、子どものことを我が事のように心配し家族として面倒を見てくれるのは、誰がいるでしょうか。
みなさんには、ここで元夫を頼るという選択肢はありますか。
離婚原因にもよりますし、身体的なDVなどがあった場合には難しいこともあり得ますが、もしも夫婦間の感情のもつれによる離婚だったりする場合で、子どもに危害を加えるような場合ではなければ、コロナ禍のような緊急事態には元夫の協力を得られることはなによりもリスクヘッジになります。
万が一のときに子どもが路頭に迷わないためにも、子どもの父親である元夫と最低限でもやりとりができていると結果して自分自身も助けられることになります。
また、定期的に面会交流などで交流がある場合には、子どもも父親に懐いていてスムーズに協力を得られますが、父親との関わりがない場合には子どもも突然父親の元に預けられたりしたら緊張してしまいます。
愛する子どもが困らないためにも、日頃から親子交流の機会をつくっておくこと、そして元夫婦で仲良くする必要はありませんが、最低限でも親同士としてやりとりができる関係になっておくことが大事。夫婦と親子関係は別物であると捉えてみるのもひとつです。
とはいえ、離婚するほど相手とやりとりをすることが困難な方や、しばらく連絡をとっていなくて今更連絡しづらいというママもいるかもしれません。
そんなときには、連絡の仲介をしてくれるサポート団体などもありますので頼ってみるのもひとつです。「連絡取りたくないから関わらない!」としてしまわずに、最初は人の手を借りてでも連絡を取れるツールをつくっておけるとよいですね。
また、面会交流を実施している際に、コロナ禍で父親と会わせることが心配というママもいるかもしれません。そのようなときは、オンラインでのビデオ交流をしたり様子を伝えるだけでも元夫側は安心しますし、何かあったときに協力したいと思ってもらいやすくなります。
全く様子を伝えず「コロナなので会えません」とシャットアウトするのではなく、「会えない代わりに、こんな方法はどうでしょう」など代案などを提案してみるのもよいですね。
子どもにとって親は変わらず親。こんな緊急時だからこそ、離婚後の子育てのカタチをあらためて考えてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️