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リフォーム予算と費用の賢い決め方(3)

床が沈む場合の補修費用は数千円〜数十万円(2/3ページ)

森田祥範森田祥範

2016/01/30

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束石と束の隙間の補修は数千円単位

1階床が沈むということは、これらの構造物のどれかに不具合が生じていることになります。

比較的よく見られるパターンが、束石が地面に沈みすぎていること。通常、束石は土の中に全体の3分の1ほどが埋められていますが、地盤が軟弱だと、束石がさらに深く沈んでいることも。そうなると、束石と束の間、あるいは束と大引の間に隙間ができてしまうので、その真上を踏むと床が沈む、という現象が起きます。

この場合、キッチン床下収納庫などに設けられた床下点検口から床下に入ることができれば、補修は簡単にできます。束石と束の隙間、あるいは束と大引の隙間に楔を打ち込み、金具や接着剤で固定するだけ。費用は一カ所数千円程度ですむはずです。

仕上げ材のはがれは数万円、床下の腐食は10万〜20万円

次によく見られるのが、根太の上に張られた下地材と仕上げ材の接着剤がはがれてきているケースです。本来、下地材と仕上げ材は接着剤でぴったり貼り合わされているはずですが、接着剤が経年劣化ではがれてくると、どちらかの板がふわふわ浮いた状態になり、踏むと沈むように感じられます。

この場合は仕上げ材の部分的な張り替えで補修ができます。その部屋(あるいは廊下)だけ床の高さが変わってもいいのであれば、いまの仕上げ材の上から別の仕上げ材を張ってしまう方法もあります。費用は、張り替える面積にもよりますが、おそらく数万円程度。DIYで上貼りをやってしまうのであれば、数千円単位で修理は完了します。

ごくまれに見られるのが、根太や大引の木材が腐食しているという最悪のケース。床が50センチメートル以上の広い範囲にわたって沈む場合、あるいは浴室などの水回りに近い床が沈む場合は、こうしたケースも覚悟しなければなりません。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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