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日本の文化を知ろう

簾の歴史と魅力(2/2ページ)

横山せつこ横山せつこ

2019/12/05

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2. 簾の歴史

簾の歴史はとても古いといわれていますが、詳しくはまだわかっていません。その昔、中国から日本へ伝来した可能性が高いといわれています。そして日本で最初に「簾」という言葉が登場するのが、「万葉集」です。額田王(ぬかたのおおきみ)が天智天皇を想って作った歌の中にでてきます。

「君待つと わが恋ひをれば わが屋戸の 簾動かし 秋の風吹く」

「あなたを待ってわたしが恋しく思っていると、わたしの家の戸口の簾を動かして秋の風が吹いてきます」という意味です。簾がこすれる音で、女性が目を輝かせて振り返る様子が目に浮かびます。「彼が来てくれた」と期待したのも束の間、ただの風だと知ってとても切なくなる心情が伝わってきますね。「簾」は、平安時代の中期には清少納言が書いた「枕草子」のなかにも登場します。宮廷生活のなかでも簾が使われていたことがわかるのです。

3.現代の簾

和風のイメージがある簾ですが、形や色を変えて現代の洋風の住まいでも活躍しています。たとえば竹に変わり、麻を使った簾。洋風のお家にもマッチするシックなダークブラウン色の簾などもあります。現代の私たちの生活に自然と溶け込み、不思議と懐かしい気持ちにさせてくれる「簾」。今年の夏から使っている我が家の簾も、早いもので季節も移り変わり肌寒い風が入ってくるようになりました。

 

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この記事を書いた人

イラストレーター、ライター

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