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LOVE HAWAII~ハワイ通の中野亜紀がハワイのあれこれを綴ります~

#06 ハワイに住もう(長期・移住・購入編)(2/3ページ)

中野亜紀中野亜紀

2019/02/15

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エスクロー制度・権原保険とは

日本ではあまり馴染みのないエスクロー制度ですが、ハワイの一般不動産取引では売買契約が成立するとエスクロー会社でエスクローをオープンします。エスクロー会社とは、政府から認定を受けた会社で中立の立場で公平な取引を行う第三者機関です。所有権が完全に移転するまで買主の手付金や最終決済代金をエスクローの口座で管理するので、「不動産の取得はできずに代金だけ騙し取られた」などというトラブルは発生しません。エスクローをオープンにすると、すぐにエスクローは売買契約書の売主が本当にその物件の所有者か、抵当権やその他の権利関係、税金や管理費などの未払いがないかをまとめた事前権原調査書(Preliminary Title Report)を発行します。売買に影響する権利がついていれば、エスクローが売主と協議をし、売買決済時までにクリアにします。万が一決済後に権利を主張する者が出てきたりして買主が不利益を被ることがあれば、権原保険で補償されます。

日本の宅地建物取引士とセールス免許・ブローカー免許の違い

日本では不動産事業者は5人に1人宅建士を採用すれば、重要事項説明など一部の業務を除いて宅建士以外の人も物件の問い合せに答えることができますが、ハワイではハワイ州の不動産セールス免許、もしくはブローカー免許を持つ者しか問い合わせに答えることができません。例えば会社に電話で「トランプタワーワイキキの売り物件はありますか?どんな間取りでいくらからありますか?」といった問い合わせがあっても、受けたものが免許を持っていない場合、答えることは禁止されています。また、宅建士の場合、資格取得後すぐに独立開業することも可能ですが、ハワイ州ではブローカー免許を取らなければ独立できません。ブローカー免許を取るにはまずセールス免許を取り、3年間ブローカーの元で実務経験を積んで初めてブローカー免許取得資格ができます。資格ができてからブローカー受験のための学校に通った後、試験を受けて合格することで晴れてブローカー免許を取得できます。

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この記事を書いた人

東京都出身。2000年8月から一人娘とともにハワイへ移住。2005年ハワイ大学経営学部会計学科卒業後、ハワイの日系不動産会社に勤務しハワイ州不動産免許(後にブローカーライセンス)を取得。2013年、雇用による永住権を取得し、現在は不動産投資・開発・管理・売買・商業物件・バケーションレンタル等扱う現地総合不動産会社“リアルセレクトインターナショナル”で、日本人顧客の居住用不動産売買を担当。https://www.realselectintl.com/

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