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巣ごもり需要で人気が高まる観葉植物――ハイドロカルチャー・テラリウム…インテリアとしての取り入れ方

MieMie

2021/08/03

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イメージ/©︎rukanoga・123RF

観葉植物の販売量が5年ぶりの増加

前回に引き続き、インテリア・グリーンのお話です。今回は新様式での楽しみ方や手入れなどをご紹介します。

コロナ禍にあって、在宅勤務の増加や長引く自粛生活によって、より充実した「おうち時間」や、リモートワークに適する環境が求められています。そんななかでインテリア・グリーンのニーズが増加しています。

2020年度の東京市場での観葉植物の販売量は、前年度と比べ取引額が7%増加、これは5年ぶりのことです。また、20年4月以降の植物販売数が、前年度比の約3倍にも急増した取り扱い店舗も存在しています。その理由として「在宅勤務が増え自宅で過ごす時間が増えたので、家の中を充実させたい」「在宅時間の増加から、緑や自然を身近に感じたい」などといった声が多くなっていることが挙げられます。

人工栽培技術の発展と普及によって、植物は土がなくても育成が可能になり、インテリア・グリーンを取り入れやすくなっています。

手軽なハイドロカルチャー、季節感も採り入れられるテラリウム

こうした「ハイドロカルチャー」は水耕栽培の1種で、排水孔がない容器に人工培地を入れて育てるため、床やテーブルを土や水で汚しません。

培地に使う「ハイドロボール」は発泡させた丸みのある茶色の人工土を使うため、無菌で清潔。虫の発生を防げます。また、粒が大きめな砂状なもので色が豊富な「ゼオライト」や、95%が水分の高吸水性樹脂でクリアで涼し気な見た目の「ジェルポリマー」も衛生的です。

「テラリウム」というものは、小さなガラス、アクリルなどの透明な容器に品種改良したミニチュアの観葉植物などをバランスよくレイアウトして植え込んだオシャレな鉢植えです。

テラリウムは開口部が小さいので空間内の湿度を維持しやすいため、南国原産の植物の栽培に適しています。

専用の容器のほか、光が透過する容器であれば大きさに関わらず空き瓶などでも代用が可能なので、オリジナルのテラリウム作りを楽しめます。

今の季節なら水槽を使ったアクアリウムが夏に最も適した観葉植物といえるでしょう。

アクアリウムは、水槽に水草や流木、転石、ビー玉などをレイアウトして、水草特有の蛍光グリーンの鮮やかな色彩と涼感を観賞するアイテムです。

こうした代表的なインテリア・グリーン以外にも、水も土も不要で、空気中の水分から養分を吸収し、置いておくだけで育成する植物「エアプランツ」も人気が集まっています。

エアプランツは、とても小型で可愛らしく、ユーモラスな形状が特徴的。紐で吊るしたり、グラスに入れたり、テーブルの上に無造作に置くだけで、場所も取らないオシャレなインテリア・グリーンになります。

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オリジナルな鉢植えと枯らさないための工夫

一方、鉢植えを必要とする植物では、鉢の選び方で愉しむことができます。

鉢の種類には、素焼き、塗り鉢、テラコッタ、陶器、樹脂、ガラスなどさまざまな種類と、デザインがあります。しかし、植物に適した水はけ、通気素性、光の入り方を考えて選ぶことがポイントになります。

こうした鉢は機能性のほかにインテリアとしての造形や装飾の機能もあり、お部屋のイメージやテーマに沿って鉢全体を覆う鉢カバーを使用する方法もあります。

鉢カバーには陶器、木製以外にも竹、蔓、コルク、金属など、さまざまな種類が製品化されたものがあります。また、防水紙を使ったラッピングシートを活用することでオリジナルの鉢カバーを手作りするのも楽しいでしょう。

インテリア・グリーンのお手入れは植物の種類によって異なりますが、室内のみで育成する種類であれば可能な限り植物の周辺をなるべく「白生地」に近い環境に心がけることが大切です。

というのも室内は屋外に比べ、日光が届きにくい環境にあるため、僅かな光であっても貴重な育成源になります。「白」は色彩のなかで最も明度が高い色なので、植物の周辺をできるだけ白く揃えておくことで光を反射させ、植物が室内光をより多く取り込めるようになります。

そして、水の量、温度、湿度にも注意を払います。インテリア・グリーンの多くは熱帯~亜熱帯地方の原産の植物ですから、本来、雨林や、森の下草として自生しています。

そのため耐陰性(日光不足でも耐えられる)です。しかし、なかには明るい場所(採光が取れるリビングなど)を好む植物、耐寒性の有無もあるので、購入時には配置する場所を考え、その植物の環境にあったものを選ぶようにしてください。

次回は「インテリア雑貨・小物」についてのお話をします。

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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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