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業界の悪しきカルチャーを暴く(18)

業者のカモにされる不動産オーナーには共通点がある!(2/2ページ)

大友健右大友健右

2016/07/11

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業界のカモにされる大家さん問題が顕在化しないワケ

業者のカモにされてしまう大家さんのもうひとつの共通点は、「リスクに直面するのが嫌い」で、「安心安全」を求める安定志向の人。空室が出ても、最低限の家賃を保証する「サブリース」は、そういう人をだますために生まれたサービスだといっても過言ではないでしょう。

実は、彼らのいう「保証」は永遠永久のものではなく、契約期間といったものが設けられていて、更新するたびに条件が悪くなって住宅ローンを抱えた大家さんの首を絞めていきます。彼らは決して自分たちが損をする提案はしないのです。

こんな話は、新聞にはあまり報じられないし、テレビで取り上げられることも滅多になく、問題が顕在化しない理由は何でしょう。

これも私の独断と偏見に過ぎないかもしれませんが、不動産業者のカモにされてしまう大家さんの多くが土地を持っている地主さんで、そこそこの金持ちで、身代をつぶすような大きな損失でなければ目をつむってしまうところに原因があるのではないでしょうか。実際のところ、角地に家を建てているような地元の名士や、銀行に相当な預貯金のある金持ちを見抜く目を持っている不動産業者は、おうおうにして好成績を上げている人が多いのです。

ですが、いまのうちに予言しておきますが、そのようなハイエナのような商売で成り立っている不動産業者は、早晩、立ち行かなくなるでしょう。これだけ情報が発達した現代社会において、消費者の利益より、自分たちの利益を優先するような事業者は駆逐されていくと私は信じています。

アパート経営を「面倒臭い」、「自信がない」と逃げずに自らできるだけの努力をし、リスクを承知で攻めの経営をしようとしている大家さんが少しずつながらも増えていることも、私は頼もしく感じています。

今回の結論
・空き家問題は今後も悪化するばかり。空室率の上昇がおさまる様子はない。
・そうした現状を把握していない大家さんは、不動産業者のカモにされてしまう。
・これからの大家さんは、リスクを正しく分析し、攻めの経営をしていくことが重要。

 

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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