ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

「駅徒歩分数」に騙された!? 不動産広告の駅徒歩分数の見方をおさらい(2022年9月の規約・規則改正にも準拠)(1/2ページ)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

イメージ/©︎cpoungpeth・123RF

駅徒歩分数に騙された!?

賃貸住宅はじめ、不動産広告に表示される駅徒歩分数。ときどきこれに「騙された!」という人がいる。 

聞けば、「実際引っ越してみたけど、広告に書かれていた分数ではとても駅まで着かないよ。もっとかかるよ~」……なるほど。では、そんな風にボヤくことになった原因は何なのか? この記事では、不動産広告の駅徒歩分数を見るときの大事なポイントについておさらいしていくことにしよう。 

なお、先般、不動産取引を行う事業者が必ず守らなければならない「不動産の表示に関する公正競争規約」および「同・施行規則」が改正されている(本年9月1日より施行)。駅徒歩分数の表示に関わる部分での変更も生じているため、以下、必要な箇所ではそのことも添えていきたい。

<参考>
「表示規約・同施行規則 主な改正点 2022年9月1日施行」(リーフレット)

「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則 新旧対照表」

基本の決まりごと「80m=1分」の定め

まずは基本だ。よく話題にもなるため知っている人も多いだろう。不動産広告では、駅徒歩分数は先ほどの施行規則により、以下のとおり算出し、表示するように定められている。

「80m=1分」
(道路距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること)

なお、道路距離と明記されているとおり、ここでの距離は物件と駅とを結ぶ直線距離ではない。実際に人が歩く道のりを測った(少なくとも正確な地図上で)距離としなければならない。さらに、80mを少しでも超えれば時間の方は繰り上げとなる。つまり、85mであれば表示は2分、165mであれば3分となるわけだ。すると、駅から80mも離れていない場合はどうなるか? 0分でいいのか? もちろんそうはならない。例えば駅から50mの物件であれば、やはり繰り上げが適用され「1分」となる。

「駅遠」になるほど誤算が生じやすい

そこで、冒頭の「実際引っ越してみたけど、広告に書かれていた分数ではとても駅まで着かないよ」の声だ。こうした声はズバリ、駅から遠い物件ほど聞かれやすくなる。なぜだろう?

答えは、物件と駅との距離が離れれば離れるほど、その途中に“障害”が現れる可能性が増すからだ。障害とは、実際にそこを歩くための時間を増やす原因・理由となるもののことをいう。例えば、信号や踏切、歩道橋、地下道といったものがこれにあたる。

これらは、道路距離とは関係なく、人々の歩行をその場で止めたり、スピードを鈍らせたりしてそのたび時間を奪う。駅徒歩5分くらいまでの物件に比べ、15~20分以上といったいわゆる駅遠物件だと、これらに出合う確率がその分増えるため、駅遠がますます駅遠になることがある。ぜひ注意したい。

次ページ ▶︎ | 坂道も考慮されない 

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

ページのトップへ

ウチコミ!