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モンスター入居者が現れた!

対応のコツは、モンスターと決めつけないこと?(2/3ページ)

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こんな例があります。「アパートに幽霊が出る」というのです。

ある日、入居者さんからオーナーさんへ、「出るんだ。なんとかしてくれ」との苦情があったそうです。夜中のある時刻になると、得体の知れない何かの気配が外からしてくるのだそうです。

入居者さんは一人暮らしです。高齢の方でした。電話の声を聞きながら、オーナーさんは何となく状況が掴めたそうです。

そこでオーナーさん、早速アパートを訪れ、まずは入居者さんから幽霊出現の状況を細かくじっくりと聞いたのだそうです。そのうえで、「たしかにそれは本物かもしれません」と、一旦入居者さんの主張を認めてあげたそうです。

そして、こんな提案をされたそうです。「幽霊も怖いけれど、不審者だったらもっと怖い。私も困る。対策をさせてください」。その現場に、人感センサー付きのライトを取り付けたそうです。「幽霊には反応しないかもしれませんが、人が通れば反応します。様子を見ましょう」。

すると、なぜかそれ以降、幽霊は出なくなりました。寂しい一人暮らしから来る心の変調からか、幻を見て騒ぐモンスターになりかけていたこの入居者さん、オーナーの上手な対応によって、その後は時々オーナーに日常報告などしながら、静かに普通の暮らしを続けているそうです。

管理会社のクレーム担当の中には、モンスター入居者からの度重なる苦情に苦しめられ、ついには体を壊してしまう人もいるようです。実は、管理会社の場合、入居者さんからのクレームというのは、時にオーナーに比べてプレッシャーが倍になります。なぜなのでしょうか?

それは、

・会社の大事なお客様であるオーナーさん
・そのオーナーさんの大事なお客様である入居者さん

と、いう重いロジックが、管理会社の立場においては働くことがあるからです。仕事のいい加減な会社の場合こうはなりませんが、真面目な会社の真面目な担当者ほど、この論理に押し潰されやすいのです。

なので、そうした担当者は、モンスター入居者の理不尽なクレームにも逐一言葉どおりに対応してしまいます。「こっちは管理費を払っているんだ」「いますぐ来い!」「毎日来い!」にまともに応え、ムリを重ねます。

そうしないで相手を怒らせ、退去されることで、オーナーさんに損害を与えることを彼らは一番に恐れているというわけです。そこでいえば、オーナーはちょっと立場がちがいます。もう少し余裕を持った対応が可能です。

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この記事を書いた人

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