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空き家を民泊に転用

観光だけじゃない、広がりを見せる活用需要(3/3ページ)

川久保文佳川久保文佳

2019/10/21

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住宅地の民泊活用は周辺との連動で――千葉県千葉市花見川区


オーナーの裕子さん

次にご紹介するのも、空き家を同居型民泊に転用した物件です。

場所はJR総武線幕張駅から徒歩9分。じつはこの物件は住宅街にあるのですが、そのなかでも空き家の目立ってきたエリアに位置します。
ここのオーナーは茂さんと裕子さんというご夫婦です。この物件は清掃やクリーニングなども自分たちで行いゲストとのコミュニケーションも対面で行っています。


ゲストから届いた手紙

オープン当初は慣れないこともあったようですが、お二人ともに英語が堪能なため、今では宿泊者との対話もスムーズで海外から来る観光客が安心して泊まれる宿として定評です。オープン前はどんなトラブルがあるのか、不安でいっぱいだった話されるお二人ですが、実際に営業をはじめてみると、宿泊される方がきちんとルールを守って滞在してくれるためトラブルはほとんどなかったといいます。

オープンにあたっては壁紙の張り替え、畳替えをし、消防設備や家具備品を入れて、初期費用は300万円ほど。しかし、その費用も早期に回収が出来てしまうほど、安定した収入を得られる宿泊施設となっています。

幕張メッセのイベントで来る企業の社員の宿泊施設として利用されることも多く、スタッフ全員で泊まるれることも好評だとか。駐車場もあり、数日間のイベント中の宿泊はもちろん、機材や商材などの搬入から搬出も行えることからリピート客も多いようです。

また、お二人は海外のゲストから帰国後に届く手紙がとてもうれしいとお話してくれました。

民泊が制定された当初は都心観光型の民泊が多かったものの、現在は多種多様な宿泊施設が増えてきています。東京都心では宿泊施設としての民泊から少しずつ変化してきています。

今回紹介した物件は、駅から徒歩10分以内の便利な場所ということもあって、用途によっては、郊外型でも十分に空き家の活用が可能になると感じます。「こんなところの空き家は利用されないだろう」と思っていた物件でも、意外と利用されることがわかりました。むしろ、住宅街やちょっと郊外というエリアは、逆に宿泊施設がないため重宝がられることもあるようです。

 

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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