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価値の見直しが進む中古住宅

住み続けるという選択で広がるライフスタイルのかたち(2/3ページ)

川久保文佳川久保文佳

2019/08/12

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しかし近年、国土交通省では、建物の耐用年数を「経済的耐用年数」、「期待耐用年数」、「物理耐用年数」を採用する提言がされています。これは、平常の管理をし、通常の性能を維持できる期間という考え方を定着すべきではないか、というものです。近年この考え方からインスペクションの実施がされています。(※インスペクションとは-中古住宅を安心して売買するために活用される建物検査)

しかしながら、銀行などの金融機関が建物を評価する場合に参考にするのが原価法です。これは、新築した建物価値から経年で老朽化するだろうという分を差し引いていくという考え方です。

これによって、木造住宅で建築後22年を超える住宅の価値がゼロと評価されていました。ゼロの価値のものに金融機関が融資するということは難しいのです。

新築であれば、金融機関を通じて、住宅をローンが適用になり、十分な資金がなくてもローンによって購入できるため、新築市場がまだまだ伸びているのだと感じます。

国土交通省も住宅の評価基準を「期待耐用年数」として表し、建物の評価改善に向け動いていますが、それが、中古市場の活性化にはまだ繋がっていないようです。

代々引き継いでいく、家のシェアという考え方

中古住宅のローン組み立てが難しい現在、金融機関の融資による中古住宅の購入ではなく、家族代々に引き継がれる家を住み続けるという選択をした場合は、新たに住宅ローンを借りるということはなくなります。

最近はリノベーション技術や用具が開発され、素人でも十分DIYができるようになってきています。また、壁紙やクロス、畳など様々な素材のものが出てきていて、センスのある住まいへリノベーションすることも簡単になってきています。また、スマートフォンのアプリなどで、インテリアの参考例を検索することも簡単にできるようになっています。例えば、アプリのPinterestなどではキーワードを入れるとおしゃれなデザイン障子の作り方やおしゃれな輸入壁紙なども検索することができます。

広すぎる家であれば、いくつかの部屋を共有して、シェアハウスとして自分以外の家族にも住んでもらう選択もあります。最近はコーポラティブハウスとして、いくつかの住宅を合わせて、数件の家族で住んでいる例もあります。

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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