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住まいの残し方

家を受け継がれる家へ(2/2ページ)

川久保文佳川久保文佳

2019/03/01

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民泊の実際とイメージの溝

世田谷区内にて、ご両親がなくなり、15年ほどセカンドハウスとして利用していた住宅の転用を依頼されました。セカンドハウスとはいえ、これまでもあまり使われてはおらず、ご両親の思い出のある住宅を壊さずに使いたいというご希望でした。

そこで住宅宿泊事業法(民泊)による転用をお勧めしました。大切な家具や食器、日本人形や染め物のタペストリーなど備品をそのままにして、大きく汚れのある壁紙を交換し、台所の床材を変更しました。作り付けの家具はペンキだけ塗り替えて、古いながらも清潔感のある思い出の住宅を再現できました。そして、海外にゆかりのあるというご両親のお写真をお借りして、ご家族のストーリーをお部屋に置くことを決めました。歴史を紡ぐ準備が進んでいきます。

現在、民泊に泊まられる方も日本の歴史的な家屋を体験してみたい、日本を知りたいという方が増えてきています。

ある民泊について、2月に台東区の民泊の来客事情をみると、1組目はミラノからきたご家族で、子どもたちに日本の国の文化を教えたくて来ているということでした。

また、2組目はニューヨークから来たご家族で、奥様は弁護士、ご主人が広告代理店の社長をしているというご家庭で、休暇を利用して日本に子どもたちと来たということでした。

3組目のフィリピンから来たご家族も日本を知るためにゆっくりと函館から新幹線で東京へ移動してきたようです。

どの家庭も一様に日本のことをもっと知って好きになりたいというお話でした。

お部屋の使い方については、チェックアウトの後もゴミはきれいに分別され、ベッドは元のようにベッドメーキングがされていました。

先日、世田谷区の住宅宿泊法の許可が下りた住宅の周辺の住民の方から説明会を開いて欲しいという要望をいただき、説明会を行いました。

周辺の住民の方10名ほどの方が出席され、いろいろな不安点や疑問点などの質問を受け、丁寧にお答えしました。

しかし、民泊への理解はニュースで取り上げられている奇異な犯罪のイメージが強く、残念ながら反発しか得られませんでした。

そこで感じたことは、民泊の良さを報道が伝えていないということでした。

これから、国の施策によって外国人の受け入れが始まります。どんどん海外の方が日本で暮らすようになるでしょう。海外の方とのコミュニケーションを図り、受け入れるという練習も必要なのだと感じました。

 

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この記事を書いた人

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事

一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。

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