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不動産投資のポイント②-建物内覧編(2/2ページ)

熊ヶ谷一幸熊ヶ谷一幸

2016/06/20

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■地元不動産会社からの情報収集
最後に、地元賃貸業者から賃料相場や今後の動向、エリアの特性等がヒアリングできれば、現地での調査も概ね終了です。地元で仲介をしている不動産会社はそのエリアは勿論、当該物件についての情報も持っているはずです。地元賃貸業者からは、ネットや売買業者からは得る事ができない生の賃貸情報が得られる絶好の機会です。しかしながら、賃貸業者によっては、正確な情報を伝えてくれない担当者も少なからず存在します。少しでも有益情報を得るために、ヒアリング時は簡単な手土産等を持参されるのも良いかもしれません。
又、地元の賃貸仲介会社は、そのエリアの中で数ある物件の中から、お買い得な物件を紹介する事はもちろんですが、それだけではなく自分達にとって、実入り(オーナーからの手数料)が大きい物件」へ契約を促進する事を忘れてはいけません。エリアの賃貸相場と併せて、エリア内で競争力のある物件が、「どのような設備を備えているか」、「どのような賃貸条件で募集を行なっているのか」の確認だけで終わらせずに、必ず競合物件が支払っている入居者斡旋時のリーシングフィー等についても確認しておきましょう。
地元の賃貸業者にヒアリングをする上で、最も頭を悩ますのが売主との守秘義務に関する事項です。売主は、物件近隣の賃貸業者に内密で物件売却を進めている事が一般的です。売主の了承が無い限り、ヒアリングをする際は、物件の特定ができない範囲内で聞き取りを行わなければなりませんが、正確な物件情報を伝えない中で、必要事項をきっちりと確認するのは、正直言って初心者の方には難しいかもしれません。

又、ヒアリングから派生する中でよくある失敗が、集客力のある賃貸仲介会社や最も親身になって対応してくれた不動産会社に購入後の物件管理まで任せてしまう事です。確かに、大手賃貸FCに加盟する仲介会社に管理を任せれば、たくさんの顧客を案内・契約してくれそうな気もします。しかし、高額の運用資産である収益物件の管理運営先を深く考えずに、テレビCMもやっているからといっただけの理由で賃貸仲介会社に任せてしまう事は、高額な投資を行う人間の行動としては、あまりに短絡的ではないでしょうか。やはり、基本的に賃貸仲介や建築の二次業務として管理を行う賃貸管理会社ではなく、賃貸物件の管理運営を中心に行う法人をお勧めいたします。

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この記事を書いた人

不動産鑑定士

株式会社東洋不動産研究所 代表取締役。1966年(昭和41年)生まれ。平成元年 慶応義塾大学法学部政治学科卒業。 学生時代はバトミントンなどのスポーツとアルバイトに没頭。不動産を生かすのは人間次第であり、個人生活・企業活動の成長は不動産のあり方・価値を極大化し、さらに個人生活・企業活動を成長させる、という不動産とのベストな付き合い方を提唱。どのタイミングで取得して処分するのかを時間軸でとらえ、ソリューション型の不動産調査・鑑定を日々実践している。 趣味は、エアロビクス。大手スポーツクラブの特別会員となっており、時間があればあちらこちらのスタジオに出没しては、主に中上級者向けエアロビクスを楽しんでいる。来年は、競技エアロビクスにチャレンジしようと考えている。 [担当]物件調査 熊ヶ谷一幸は個人間直接売買において物件調査により権利関係の確認をします。

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