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「オシャレな家=いい家」とは限らない

デザイナーズ建築、そのオシャレさの裏に何がある?

岩崎未来岩崎未来

2016/01/14

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デザイン性に特化するゆえのリスクとは?

 マイホームづくりは、人生でいちばん大きな買い物。「建てるならとびきりオシャレな、かっこいい自宅にしたい!」と、デザイナーズ建築に憧れている方も多いのではないでしょうか。いまや分譲住宅でもデザイナーズ物件はたくさんありますし、お気に入りの建築事務所を見つけて設計を依頼するのもいいな、と夢が膨らみます…。

 でも、ちょっと待ってください! ハウスメーカーや工務店に比べて確かにオシャレ感は増しますが、オシャレだからこそのデメリットもあるんです。

 一般的な住宅とは違い、個性あるオシャレな外観・内観が魅力のデザイナーズ建築。ただしその「デザインに対する強いこだわり」が、違う問題を引き起こしている場合もあるようです。

 大工である夫曰く、設計図を見ながら「構造的にここは変えたほうがいい、問題が起こるかもしれないよ」と説明しても、あくまでも見た目を重視する設計士は意見を譲らず、そのまま施工せざるを得ない、ということもあるそう。見た目がいくら美しくても、もしも安全性や耐久性に不安のある家が建ってしまったら。やっぱり不本意ですよね!?

 しかも、構造の問題は素人が見てもなかなか見抜けません。ただ単に「デザインがかっこいいから」という理由だけで選ぶのは、キケンです。

 設計ありきの建築なので、設計士が設計図を書かなければ何も始まりません。でも、家を実際建てるのは設計士ではなく、職人。職人は基本的に設計図通りに進めますが、ときには職人としての意見を設計士に伝えることもあります。

 先ほどの夫の例と同様に、「ここはこうしたほうがいいんじゃないか、こっちの素材を使ったほうがいいんじゃないか」という意見を職人が言っても、こだわりが強くワンマン気味な設計士の場合は聞き入れないことも多いようです。

 その結果、構造的な問題を残したまま建築が進んで…。そう考えると、設計事務所を選ぶ際は、実際の建築現場を見に行ったり、職人とのやりとりをよく観察できたりすると安心ですね。

買い主さんから職人までの距離が遠い

 設計事務所に設計を依頼する場合、「買い主⇒設計事務所⇒施工会社⇒職人」と、買い主さんから職人までの距離がかなり遠いことがわかります。一般的な工務店やハウスメーカーだと、設計と施工を同一会社で行なうことが多いため、もう少し距離が近くなりますね。間に入る会社や人が多いと、それだけ意見が伝わるのが遅くなり、しかも正確性に欠けることになります。

 現場で実際に家を建てているのは職人です。ですから、買い主さんの希望や意見を職人の耳に早く、正確に届けられるのに越したことはありません。でも、職人に意見や希望を伝えるためには、まずは設計事務所に伝える必要があり、そこから施工会社を挟んで、職人の耳に入ります。設計事務所と施工会社、職人のコミュニケーションが円滑な場合は心配いらないかもしれませんが、そうでない場合、なかなか自分の意見が反映されない…、なんてことも起こるようです。

 せっかく大きな期待をもってデザイナーズ物件を建てるのですから、自分の意見がしっかり聞いてもらえる、相談できる環境で建てたいですよね。設計を依頼する前に、職人を交えての打ち合わせができるかどうか、質問に対する返答のしかたがどうか、よく確認して見極めてください!

 上述した内容は、もちろんすべての設計事務所にあてはまることではありません。職人とよき関係を築き、デザイン的にも構造的にも素晴らしい家を建てている事務所はたくさんあります。オシャレな家はもちろんステキですが、「よい家=長く住める家」だということをお忘れなく!

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この記事を書いた人

住宅ライター

「1級建築技能士」という国家資格を保有する昔気質の職人を夫に持つ「大工の嫁」。群馬県在住で鹿児島県出身。 都内の大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務し、さまざまな実用書・書籍を手がけた後に独立。間取り図や住宅情報誌などを見るのは趣味のひとつで。都内在住中、10年で6回の引越しを経験。その後、結婚し、第一子出産後、夫の故郷である群馬県に移住。 第二子妊娠中の今、毎夜夫の仕事話を聞きながら、マイホームへの夢を募らせている。

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