「敷金０・礼金０」は本当にお得？

十年ほど前から、街中を歩いていると「敷金０・礼金０」　と言う広告をよく目にします。ネットでも、結構たくさん目にします。でも、本当にお得なの？と、誰しも気にしていると思います。結果からお話ししますと～安全・安心なものは、ほとんどありません！

 

では、どんな内容なのかを説明して行きます～

 

 ①不動産屋さんとしては、とにかくお客さんを呼び込みたい。ほんの数件でもその物件を持っていれば　ウソ　にはならないので広告のキーワード的に使っているケース。

 

～この場合は、もちろんその物件も紹介はしてくれますが、自分たちの紹介したい物件を出してきます。結局、呼び込みの材料として使うやり方。

 

②本気で紹介してくれる業者もいますが、契約の中身をジックリと見て判断しないと大変な事になる場合があります。

 

～賃貸住宅を借りる場合の契約は「賃貸借契約」です。これは、法律でも居住権が保証される契約なので多少の家賃滞納（故意・悪意以外です）の様な場合でも、基本的に借家人がまもられます。また、住居ですから勝手に入ると　住居侵入罪に問う事が出来ます。

 

ちょっと　物騒な話になってきました。しかし、居住用の部屋ではなく「鍵付の施設の鍵を借りる」契約．．．と言うような　居住権を認めない　恐ろしい契約形態！　これは、怖いですよ。居住権が認められていないので、留守の間に鍵を交換されてしまったり、部屋の荷物を勝手に処分されたり．．．少し前に大変な騒ぎになって、刑事訴訟まで起きていた事がありました。

 

部屋の鍵を交換されてしまった方は、その費用も支払わないと自分の部屋に入れないうえ、費用も高額な請求をされたりしたそうです。契約の形態が違うのですから、ほとんど　詐欺　です。

 

③　②とは違った意味で、契約書の内容をよ～く見ないとひどい目に合う契約内容。

 

～こちらの契約は、「賃貸借契約」で先ほどの詐欺の様なものとは違いますが、契約書の内容を十分に確認しておかないと、思わぬ出費があるケースが多いです。基本的に、敷金は貸主さんの担保、家賃滞納などの不測の事態に備えるものですが、借主さんの退去の際の清算（通常ではない汚れ・破損の）などにも使えるお金です。それが無いとすれば、その補填をする物として例えば、クリーニング及び補修費などの名目で定額で借主退去の際に〇〇万円とか、記載されている場合があります。もちろん、定額ではなく　立会い検査で査定そして請求．．．なんてのもあります。甘く見ていると、大変です。

 

※　元来、不動産に係らず　契約書や約款　などを本当にジックリ見ている方のほうが、少数でしょう。しかし、どんな契約書でも　諸条件・特約・支払金額　は絶対に確認しなければいけません。意味の不明瞭な事も、質問なりして解決しなければダメです。

 

礼金は昔からの単なる慣習で、お礼の意味で支払われている金銭ですから、礼金０円は歓迎してもいいでしょう。ただ、敷金は　「今でも意味のあるお金」　で貸主さん唯一の保全でもありますから、それが０円と言う事は必ずどこかにしわを寄せざるを得ないになります。

 

因みに、自分でしたら　敷金０円・礼金０円　は選びません。先ほどの件の様に、普通ではない方が絡んでいそうですしかえって面倒な事が増えそうです。それでしたら、敷金２・礼金０とか敷金１・礼金１とかの方が、安心感はありますよね。更に、家賃を交渉してみるとか．．．。

 

つまり、この件に関しては　構造自体　に無理があるとしか思えません。とてもお勧めできるものではないですね。絶対損！とか絶対無理！というつもりもありませんがトライしたい方は、この記事を参考にがんばってください。

 

次回は、今でもよくある　賃貸の退去時のトラブル

 

について、実例をいれてお話しします。　

 

大家さんが賃貸経営にかかる広告費をおさえて、その分の費用を借主さんに還元してくそんなサイトがあります。ウチコミです。その中の敷金・礼金0円物件特集一見の価値ありです。