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人気の南向きの部屋 快適さを分けるポイントとは? 東西南北・部屋の向きの特徴(2/2ページ)

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南向きの部屋

日中を通して陽が差さない北向きの部屋に対し、日中を通して光に恵まれる「太陽が友達」ともいえる部屋が南向きの部屋だ。室内は長時間にわたって明るく、暖房費も浮かせやすい。湿気が溜まりにくく、洗濯物も乾きやすい。ベランダやバルコニーで花を植えたり、野菜を育てたりもしやすい、さらにはとりあえず気分も明るくなりそう――と、メリットが多いため南向きの部屋はとても人気が高い。そのことは多くの人が“不動産の常識”として知るところだ。

もっとも、南向きの部屋は、夏暑くなりやすいことも確かだ。そのうえで、実はこの南向きの部屋の暑さについては、それを左右する重要なポイントが存在する。何か? 答えは、窓の外側にかかる軒(のき)や庇(ひさし)の深さ・大きさだ。

「軒」や「庇」が夏の太陽を遮断

知ってのとおり、冬の太陽は高度が低く、光は南向きの部屋の窓を通り、低角度で部屋の奥まで差し込んで来る。その状態が日中長く続くことが、南向きの部屋が(晴れれば)冬でもポカポカと暖かさを保つ理由だ。

一方、夏の強烈な日差しは高い角度から降り注いで来る。これが窓を通して部屋の中を直撃すると、室内は猛烈に暑くなる。よって、注目すべきは窓の外だ。そこにある軒、あるいは庇の出が深く、広ければ、角度の高い夏の太陽光を遮りやすい。

そのため、軒や庇が深いか、浅いか、左右に広いか、狭いか、あるいはそもそもあるのか、ないのかは、南向きの部屋にとって快適性を左右する決め手に等しい要素となってくる。

ちなみに、「軒」や「庇」とはいうものの、集合住宅のリビングなどでは本来のそれらよりも、上階のベランダの床、つまりこちら側からはベランダの天井が、その役目を果たしてくれている場合が多いだろう。

そこで、賃貸マンションやアパートの南向きの部屋を内見で訪れた際は、忘れずベランダに出て見上げてみよう。“天井”はどのくらい外に張り出しているのか――? その“天井”の高さや、窓のガラスの下端の位置など、条件によって変わってはくるが、東京辺りの緯度の場合、1メートル程度も(天井=上階ベランダの床が)張り出していれば、効果は期待しやすくなる。

すなわち、真夏の日中の暑い時間帯での室内への日光の直撃が避けられたり、ある程度抑えられたりする状態となっていることが多いだろう。冬はポカポカ、夏は強い日差しにさほど苦しまずに済む環境を得られる可能性が高いはずだ。

なお、この判断は、厳密には現場の各部分のサイズや、太陽高度をきちんと測定したうえで得られるものだ。なので、上記はざっとの目安として覚えておくとよいだろう。

以上、東西南北にわたっての部屋の向きについて、その特徴、メリット・デメリットを記してみた。なお、十分ご承知と思うが、これらは窓の向こうに日差しを遮る大きな障害物が存在しないことを前提とした話だ。部屋は南向きでも、そのすぐ先に大きな建物が建っていて、当方が一日中その陰に入ってしまうのならば、深い軒にも庇にも、雨・雪をしのぐ以上の意味はない。 

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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