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リフォーム予算と費用の賢い決め方(1)

基礎部分の補修費用は数百万円単位でかかる(2/2ページ)

森田祥範森田祥範

2016/01/30

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ベタ基礎か布基礎か

ここで、一戸建て住宅の基礎部分について、さらに解説しておきましょう。

一戸建て住宅の基礎の構造には、大きく分けて「ベタ基礎」と「布基礎」があります。

ベタ基礎とは、住宅の床全面にわたって、鉄筋入りコンクリートが打設されている基礎のこと。建物を、床全体に打ったコンクリートで支える形になります。

布基礎とは、外壁など建物を支える耐力壁に沿って、逆T字型の立ち上がり部分がぐるりと連続している基礎のこと。建物を、大きな枠の形に打ったコンクリートで支える形になります。

従来の一戸建て住宅では、布基礎が採用されることが多かったのですが、ここ十年ほどの間に、ベタ基礎のほうが優勢になりました。今日、軸組在来工法や2×4工法で建てられる住宅はほとんど、ベタ基礎を採用しています。ベタ基礎は布基礎よりも一工程少ないため、工期を圧縮できるメリットがあります。

こうした現状からか、「布基礎よりベタ基礎のほうが強い」という言い方がされるようになりました。しかし、かならずしもそうではありません。一般に、ベタ基礎のほうが不同沈下を起こしにくいのは事実ですが、地盤によっては布基礎のほうが安全な場合もあります。また、鉄骨系プレハブ住宅では、力の集中する部分を重点的に支えたほうが全体が安定するため、いまでも布基礎が標準仕様になっています。

このように、「ベタ基礎のほうが布基礎より優れている」とは一概にいえないことを覚えておいてください。

 

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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