ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

いまさら聞けない不動産投資の基本(18/18)

賃貸物件の維持にかかるPMフィーとはどんなものか?(2/2ページ)

浅井佐知子浅井佐知子

2016/02/27

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

空室リスクを減らすPMフィー

居住用の賃貸物件を運営していく上で、いちばん怖いのは空室リスクです。そのリスクマネジメントのためにも、PMフィーは役に立ちます。

居住用の賃貸物件の契約期間は通常2年です。入居者には、入居から2年が経過する前に「契約の更新」または「退去」の意思確認を行ないます。更新の場合は更新手続きを、退去の場合は退去手続きを行なうのですが、この業務を代行してもらうことで退去の場合はすぐに募集をかけるなど、リスクマネジメントにつながります。

特段の更新手続きが行なわれない場合、従前の契約と同一条件で契約されたものと見なされます(「法定更新」と呼びます)。法定更新では、その後は契約期間を定めない契約となるので、解約タイミングは入居者の意思で決まりますがそれ相応の「正当事由」が必要となります。一方、最初から当初の契約での更新を約束しておくことを「自動更新」といいます。

入居者が退去する場合、退去申し込みの受付やライフラインの料金などさまざまな清算業務があります。また原状回復工事も必要になるかもしれません。このような業務も任せられるのが、PMフィーの効果です。

PMフィーの相場は?

このように何かと便利なPMフィーという仕組みですが、相場は賃料の3~5パーセントとなっています。8万円の賃料であれば2400円から4000円といったところです。1棟そのものを全室任せる場合は、割引料金が適用されることもあります。

このPMフィーに関しても、複数の業者に見積もりを依頼し、徹底的に比較することで経費節減につながります。とはいえ、ただ安いだけでは将来的にトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要です。

サラリーマンが副業として不動産投資をする場合は、不動産業者を利用しない自主管理は相当な負担を生みます。PMフィーをうまく活用することで、「損して得取れ」ではありませんが、快適な不動産投資につなげられる可能性は高くなります。

編集部よりお知らせ

この記事の監修者、浅井佐知子さんの著書が好評発売中!

まずは300万円台からの不動産投資をしてみませんか?
確実に稼げる体質にするのがこの本です。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

不動産鑑定士

大学卒業後、不動産会社で10年間営業を経験。その後、不動産鑑定士として活躍。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としても豊富な実績を持ち、アパートの賃貸から、土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産投資コンサルと合わせて計5000件以上の案件をこなす。きめ細やかなサービスで不動産投資家からの支持を得ており、その最後の集大成として、個人の投資家が絶対に失敗しない、幸せな投資家になれる啓蒙活動を行っている。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書 一年生』、2021年1月出版の新刊『世界一楽しい 不動産投資の授業』がある。

ページのトップへ

ウチコミ!