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味方のはずが強力なライバル? 管理会社と付き合うために賃貸住宅オーナーが知っておきたいこと(2/4ページ)

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そのうえで、挙げられた物件の“素性”を調べてみた。すると、結果は揃ってこうなった。

力強くプッシュされた物件
・当該管理会社が貸主の物件(自社物件)
・当該管理会社が転貸主の物件(サブリース物件)

プッシュされた印象がない物件
・一般オーナーから管理、募集を預かっている物件(管理物件)
・他社が管理、当該管理会社も客付けすることまでは可能な物件(先物物件)

なお、前者にあっては窓口スタッフが、「こちらのお部屋は仲介手数料ナシでおトクですよ」といった売り文句があったそうだ。すなわち、いずれも自社が貸主のため仲介(正式には媒介)手数料は発生しない。当然、そういった効き目のあるアピールも可能となるわけだ。

もはや、説明は要らないかもしれない。

・入居者が決まれば、以降は自社が家賃を得られる=自社物件
・入居者を決めないと、入居者の代わりに自社が家賃をオーナーに支払わなければならない=サブリース物件

これらを抱えている管理会社にとって、これらの入居者を確保することは経営上至上の課題となる。反面、一般のオーナーから管理と募集を預かっている管理物件にあっては上記に比べると、いわばウェイトが軽くなる。

なぜならば、管理物件では入居者を獲得した際に、仲介手数料やインセンティブ(いわゆるAD)がまとまった一時収入として生じるほかは、その後、長期にわたっての「旨み」が薄い。基本、わずかな管理料が細々と入ってくるのみとなるからだ。

そこで、自らの経営状況もにらみつつ両者を天秤にかけた結果として上記のような窓口対応(=自社物件やサブリース物件優先)を行う会社があっても、それはなんらおかしなことではない。力学上はむしろ当たり前の流れといってもいいだろう。

つまりは自社物件やサブリース物件を抱えている管理会社というのは、一般オーナーにとって2つの顔をもつ相手ということになる。

物件管理や募集そのほか、ワンストップでサービスを提供してくれる便利なパートナーでありつつも、相手がその気にさえなれば密かに背後で足を引っ張る存在にもなりうるということだ。

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この記事を書いた人

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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