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宅配ボックスは何個必要?

外出時だけでなく「在宅時もストレスが軽減される」が7割超に!(3/3ページ)

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ただし、注意点もあります。

それは、賃貸住宅への宅配ボックスの導入は、ともすれば不満のタネをひとつ増やすことにつながりかねないということです。

冒頭にご紹介したパナソニックさんの実証実験は、繰り返しますが戸建て住宅で行われたものでした。つまり、1戸に対しボックスはひとつです。

一方、賃貸住宅(集合住宅の場合)での宅配ボックスの導入については、なかなかひと部屋あたり1ボックスというわけにはいきません。

コストやスペースによる制約上、居室の数よりもかなり少ない数に収まることが普通です。

すると、たびたび出てくるのが、「宅配ボックスがあるのに使えない」という不満です。

原因は、宅配ボックスが荷物で埋まってしまうことにあります。

もっとも、同様の条件を抱える分譲マンションの例などを聞くと、ボックスの数は十分でありつつも、

・着いた荷物をなかなか取りにいかない人がいる
・宅配荷物と関係のないモノを入れてロッカーがわりに利用する人がいる

そうしたモラル面での問題が理由となって、不満が持ち上がっていることも多いようです。

とはいえ、「あるのに使えない」が頻発するようでは、宅配ボックスが設置されていることをメリットに感じて入居してくれた入居者さんの期待を裏切る結果となることに間違いはありません。

「宅配ボックスが無い物件よりもマシじゃないか」は、ここでは当然通用しない論理ですので、可能な限りの数の確保も、導入に際しては重要な課題です。

そこでいうと、部屋数あたりの必要なボックス数として、分譲マンションでは20%前後の数字がよく見聞きされます。賃貸でも一応参考にはなるでしょう。20戸に対して4~5個といったところでしょうか。

ただし、この数字は、将来増えることがあっても減ることは考えにくい数字です。なぜならば、宅配ボックスをフル活用してこそ便利なインターネット通販を利用する人が、これから減っていくということはきわめて考えにくいからです。

そのためか、住人の留守が多い単身用の賃貸住宅に導入する場合、戸数の30~40%以上がいまは適当だとする方もいるようです。

なお、分譲マンションでの宅配ボックスの稼働率については、住人の平均年齢が下がる物件ほど高くなるともいわれています。そのあたりにもヒントが示されているといえるでしょう。

(文/朝倉継道 参照元/パナソニックプレリリース)

 

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