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不動産業界における担当者ボーナス(担ボー)のしくみとは?(2/2ページ)

大友健右大友健右

2016/08/23

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営業マンが強く勧める物件は「売れ残り」ばかり!?

では、担ボーはどのような物件に付くのでしょうか。実際のところ、多くの人にとって価値があると思える家は広告を出さずとも売れていきます。ですから、担ボー付き物件は、どうしても売れ残り物件となります。となると、担ボーで儲けたい仲介業者の営業マンが強く勧める物件は、売れ残りばかりということもできるでしょう(下記図表3参照)。

そして、その金額は、5000万円の家を一棟売れば150万円になり、4000万円の家なら120万円になるのです。率にすればたった3%ですが、金額にすれば首都圏近郊で100万円、200万円の担ボーになる! そうとわかれば、担ボー付き物件を勧めるのもムリはありません。

さらに、担ボー付き物件に狙いを定めて、年に5棟、10棟を販売できれば、その営業マンはまさに濡れ手に粟です。そうなると、一発の儲けが大きい彼らにとって大事なのは、どんなお客さんと知りあうかということだけです。運よくカネ回りのいいお客さんと知りあうことができ、担ボー付き物件を勧め、購入してもらえば万々歳なのです。

「ふざけんじゃないよ。売れ残り物件を勧めておいて、100万円以上もよけいに儲けているのか! まったくの悪徳業者め・・・」と、仲介業者の営業マンに向かって怒りだす人がいるかもしれません。

でも、ちょっと気持ちを静めてください。あなたにとっては理不尽に思える取引のやり方でも、この業界では“黙認された成功報酬”なのです。

本連載は、2012年9月10日刊行の書籍『不動産屋は笑顔のウラで何を考えているのか?』からの抜粋です。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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