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不動産業界に吹く新風 若い世代の目に映る不動産投資とは

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“大家”というと、年齢層が高いイメージがあるかもしれない。そんななか、異色の「20代・30代限定」であることを掲げている大家の会がある。30歳代前半の3人の男性が主催する「TerraCoya大家の会」だ。20歳代から不動産投資を始めた彼らが考える不動産投資とはどのようなものか。今回、TerraCoya大家の会の辻龍一さんと富治林希宇さんに、大家の会発足の経緯やこれから目指すビジョンを聞いた。(聞き手/財部 寛子 文/佐藤 美月)

――お二人が賃貸経営を始めたきっかけと、これまでどういったかたちで賃貸経営をされてきたのかを教えてください。

辻:僕は、新卒入社した会社で今もサラリーマンを続けていて、今年で10年目です。30代を目前に今後の人生について考えていたとき、このままの会社で定年までずっとサラリーマンとして働いていていいのかなと思い始めました。

将来をどうやって生きていこうかと考えたときに、たまたま『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著)を読み、不動産という世界があることを知りました。

思い返してみたら、実家で土地を保有していたり、祖母がアパートを持っていたり、不動産は身近な存在だったんです。そこから不動産の勉強を2017年の3月頃に始め、1棟目を購入したのはその年の12月。神奈川県に築15年ぐらいの物件を2500万円ほどで買いました。

親には事後報告でしたが(笑)。自分で考えてやっているならいいといった反応でしたね。今は3棟増えて、神奈川県と埼玉県に所有しています。

富治林:僕はもともと建物が好きで、大学では建築を学んでいました。実は辻さんと同じ大学で、1つ下の後輩なんです(笑)。その頃から、資産価値が落ちた不動産の再生をしたいという思いがありました。

そのために、現場を知る目的で大学卒業後は、管理の仕事から始め、ビルマネジメント、それからプロパティマネジメントの仕事に従事しました。そのうちに、人のものではなく自分のお金で当事者意識をもって不動産を運用したい、不動産にかかわるすべての人に喜んでもらいたいという思いが湧いてきたんです。

そこで、28歳のときに「30歳までに今の収入以上に稼げたら起業して独立しよう」と決めたことがきっかけとなり、賃貸経営の道に乗り出しました。

まず18年の12月に1棟目を購入し、現在は売却したものも含めると全部で10棟ほどです。最近では、築40〜50年経ったボロボロの物件を買って再生するというやり方をとっています。

うまく再生できれば、利回りもよくなりますし、新しい入居者さんも増え、近隣の方々も喜んでくれる。リフォームをお願いする工務店も、その地域で探すことにこだわっています。地産地消というか、地域でお金を回すイメージですね。利益といった「お金」よりも、地域貢献になるような「想い」があることをやる方が楽しいです。


左:辻 龍一(つじ りゅういち)/1988年生まれ、大阪府出身。大学卒業後、サラリーマンとして勤務を続けるなかで将来への不安を覚え、2017年に本業の傍ら不動産投資を開始。不動産投資を始めて3年程で、本業の給料を超える家賃収入を得ることに成功。現在はさらなる不動産規模拡大とともに、「COSOJI(こそーじ)」事業に携わる。DIYによる格安リフォームの客付けや、事業計画などの資料作成による融資付けを得意とする。

右:富治林 希宇(ふじばやし ねがう)/1989年生まれ、京都府出身。不動産、金融、IT業界での経験を活かし、不動産投資を始めて約2年で月のキャッシュフローは100万円を超える。住宅、ホテル、旅館、貸し会議室、パーティースペース、倉庫など、運用実績は多岐にわたる。2020年、“不動産業界の軽作業”と“地域住民のスキマ時間”のマッチングサービス「COSOJI(こそーじ)」を提供するRsmile株式会社を起業。

――TerraCoya大家の会はどのような会ですか。設立した経緯をお聞かせください。

富治林:会発足の背景には、僕たちと同世代の方の不動産投資の応援をしたいという強い思いがあります。僕と辻さんは、当時参加していた不動産投資のコミュニティーで出会いました。

2人とも、これまでさまざまなコミュニティーに参加してきたなかで、若い世代に必要な学びを得る機会に恵まれなかった経験があるんです。

不動産投資コミュニティーに参加している方の大半は40~50歳代以上の方で、若い世代と違ってすでに資金の土台ができている。そうなると、不動産投資のやり方も、それに必要な学びも変わってきます。

僕たちの世代に不可欠なのは、不動産投資の概念や概要だけでなく、「いま何をすればいいのか」というところまで落とし込んだ、実践的な再現性のある内容なんですよね。その考えから、自分たちで試行錯誤したことや僕自身の不動産業界の経験も生かして「こんな学びがあったらよかった!」を提供しています。

辻:同世代で不動産投資を学んでいる人同士が「つながる場」をつくるということに、とても大きな意味があると思っています。このTerraCoya大家の会は、メンバーの世代が近いからこそ気軽に話しやすいのも特徴で、遠慮せずに質問やコメントができる雰囲気を大切にしています。みんなで一緒に楽しんでやりたい、という気持ちが強いです。

――TerraCoya大家の会の会員はどのような方がいらっしゃいますか。活動はどのようなものでしょうか。

富治林:現在、有料会員は約50名、無料会員は約200人、合計250名ほどの会員さんがいます。会員さんのバックグラウンドは本当にさまざまです。普通のサラリーマンから自営業者、専業主婦の方、外資系企業のエンジニア、ニュースサイトの編集者などです。

また、高校卒業と同時に入会してくれた大学生もいます。当初は関東を中心に活動をしていましたが、コロナによってオンラインの活動も活発になり、今では全国から参加してもらっています。サラリーマンの方で海外転勤になってしまい、タイから参加している方もいるんですよ。

辻:いろいろなバックグラウンドの人が集まるから、普段出会わないような人と出会えるということがすごく刺激になるし、うれしいです。すでに不動産について詳しい方もいれば、これから勉強するという方もいらっしゃいます。

富治林:月一で行っている勉強会では、参加型であることを大事にしているんです。金額を隠したマイソクを配って、この物件だったらいくらで購入するかをディスカッションしたり、みんなでDIYをしたり。

経験者を含めた全員が参加できるAdvanceコースと、初心者向けのBeginnerコースに分かれています。Advanceコースだと、実際に司法書士の先生に来ていただいて謄本の見方を学ぶとか、弁護士の先生をお呼びして売買契約書のチェックポイントを教えてもらうといった、具体的に学んでいく内容となっています。

Beginnerコースでは、物件の探し方に始まり、実際に物件を購入したときにはどういう物件を買ったのか、どういう考えをもって買ったのかということを発表してもらう場もあります。こうした勉強会の内容は、会員さんから毎回とっているアンケートを参考にしています。

辻:基本的にはリアルで行いますが、オンラインでの同時配信をして、そちらでも参加できるようにしています。勉強会のなかで、質問が出てきたらその場で共有して、いつでも見返せる仕組みも作っているんです。

そのQ&Aのやり取りはとても活発に行われています。それぞれのコースで全員が入っているLINEのグループもあり、そこでも普段から質問が飛び交っています。こうしたやり取りを通して、メンバー全員で疑問を解決することを目指しているのです。

最近ではSNSに力を入れていて、TwitterやFacebook、Instagramもやっています。HPに加えて、そうしたSNSの全てがお問い合わせの窓口になっているので、入会を検討している方は是非チェックしてみてください。そして、一度セミナーにきていただいて、自分と合っているかを確認してもらえればと思います。

――賃貸住宅オーナーへメッセージをお願いします。

辻:どうして不動産投資をやりたいのか、何年後にどうなっていたいのか、目的や目標をしっかり決めて、それに向けて行動をしていくことが一番大事だと思っています。「いつか買えればいい」「別に物件を買えなくてもいいか」という甘えに負けないためには、いつまでに何をやるか、目標からやるべきことを細分化して、PDCAサイクル(Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していく手法のこと)をきちんと回していくことが必要です。

不動産事業は、結局、人と人とのつながりです。大家仲間、入居者さん、不動産会社や管理会社、工務店、地域の人々など、たくさんの人と出会います。

ただ、そのなかでも長く付き合っていける人は限られます。そういった人とのつながりを大切にしていかなければならないと思うんです。僕は、不動産投資で裕福になりたいわけではありません。自分にとって幸せな生活を送るための収入を得る手段の一つなのです。個人的な目標になりますが、自分の好きなこと、楽しいことをやって生きていきたいと思っています。

富治林:不動産投資をやる目的を、ブレずに持っているということはとても重要だと思います。家族の時間を大切にしたいためなのか、会社に縛られず自由になってやりたいことがあるのか……。

明確な目的があると、先に進む力になるはずです。TerraCoya大家の会は、20~30代で不動産投資を勉強したい方の登竜門であり、ここで学んだら間違いないという土台作りの場になるというビジョンがあります。同時に、僕自身、不動産にかかわるすべての人にとって快適で楽しく過ごせる世界になればいいなと思っているので、それを実現したいですね。

――辻さん、富治林さん、ありがとうございました。

【TerraCoya大家の会 (てらこや大家の会)】
・設立:2020年4月
・エリア:全国
・会員数:約250名(有料会員約50名、無料会員約200名)
・会費:無料・有料(月会費制)

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この記事を書いた人

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