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詐欺の詐欺――原野商法の二次被害 その手口と流れ(1/2ページ)

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文/朝倉 継道 構成/編集部 イメージ/©︎Phuong Nguyen Duy・123RF

「原野商法の二次被害」といわれる、悪質な手口による詐欺があとを絶たない。 

原野商法とは価値のない原野などの土地を、土地開発・計画の情報などに紐付け「将来値上がりする」といって買わせる、半世紀ほど前に流行った詐欺行為である。では、原野商法の「二次被害」とはどんな被害なのか? それは「あなたの土地を売ってください」と原野などの売却を持ちかけ、金銭などの被害をもたらすというものだ。

よく知られている流れは次のようになる。

1.名簿が出回っている? 

まず、業者は、過去に山林や原野等の土地を購入し、それを処分できずにいる人や、売却をあきらめて放置している人に目を付ける。こうした人々の情報が、業者間で密かに出回り、共有されているともいわれている。

2.焦る気持ちにつけ入る 

次に、業者は、そうした人に電話をかけたり、自宅を訪問したりして接触。そこで、「あなたの土地を買いたがっている人がいる。わが社が間に立つ。買わせてもらいたい」などと言って、売却を提案。過去に一度原野商法にひっかかり、不要な土地を買わされていた人にとっては、まさに降って湧いたチャンスだ。しかも、そこで示されるのは、購入価格よりも高い売却価格。「要らない土地を子どもに引き継がせたくない」と悩んでいる人にとっても、一見、渡りに舟の提案だ。 

3.なぜか他の土地を買わされる

話に乗ってしまった被害者に対し、業者は「ただし…」と、条件を提示する。それは「土地を売るためには、手続き上、別の土地をあなたに一旦買ってもらわなければならない」という奇妙な申し入れだ。もっとも、その土地については「次の買い手が決まっている」と業者は説明。「その人はあなたが買ったのと同じ金額でその土地を買う。なので、あくまでこれは手続き上の取引です」と語り、被害者を安心させる。ちなみに、このとき被害者が買わされる土地は、売る土地(元々持っていた土地)よりも高く、新たに買う土地が売れなければ被害者は差額による損を被る。そこで業者は、「買い手は必ずこの土地を買う。そういう手筈になっている」と太鼓判を押すが、そんな人物はもちろん実際には存在しない。

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