「家の売却で後悔しない」日本経済新聞の記事について!? 後編!
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/07/22
「家の売却で後悔しない」についての記事の解説などをします。内容的には、「重要な・隠されていた」不動産業界の構造などの話が出ています。過去から考えても、日本経済新聞にここまで掲載されたのは記憶にありません。画期的な事です。ただ、一般の消費者の方が「こんな酷い事が」ほんの一部の事と思ってしまわないか不安ではあります。何度も、何度も取り上げられていく事を願います。
■記事の冒頭で紹介されているのは
~自宅の売却を依頼した方の体験談でした。複数の不動産業者に査定を頼んで、一番高い金額を提示した不動産業者と契約を結んだ話がでていました。ここで、考えて頂きたいのが…。
~不動産業者の売却時の査定金額についてです。ズバリ! 不動産業者の査定金額=売れる金額ではない事。誤解があるといけないので、説明しておきます。査定自身は、信用できない訳ではありません。キチンとした価格調査をして金額提示をする、真面目な業者さんもいますが、問題なのは「媒介契約」を取りたい一心で、若しくは戦略的に高額な査定金額を出す業者がいるという事です。
戦略的にという事は、既にお客さんの方を向いていない営業だと言う事になり、消費者に依頼されている仕事を全うにするつもりがない!? 背任行為とも言える内容です。冷静に考えたら、とんでもない事です。
不動産を売却する消費者にとって、売却金額はとても重要です。この不動産を売却して、その後の計画に大きな影響を及ぼします。それに対して、不動産業者側では、査定金額に対しての責任やペナルティは一切ありません。あるとしても、売れなかったから別の業者に乗り換えられるぐらいですね。取り立てていう程のデメリットではないです。「ここを消費者の方は十分に理解する必要があります。」
そしてもう一つ…。不動産の価格は、相場で推移する物です。世の中の景気や需要、その他いろいろな状況によって変動します。現在1000万円の価値相場の不動産は、どんなに頑張っても願っても、倍額にはなりません。
売主さんに感情や思いがある様に、買主も全く反対方向の感情、思いが働くわけですから、片側の気持ちや思いだけで何とかなるものではありません。悪く言えば、そこを巧みに利用されるわけです。「それでも、一番高い査定金額の業者に任せますか?」「利益相反の取引」これもしかり。
~説明した通り、売主と買主の利害は正反対です。その間に仲介する不動産業者が1社!?どう考えても、どちらかが損をするしかない取引になります。
分かりやすく言えば…。裁判で、原告・被告が同じ弁護士に頼んでいる状態に近い行為です。どんなに社会が変わったとしても、ありえません。こんな事も日常的に行われている業界です。そして、不動産業界が一般公開せずに利用している物件検索システム。通称「REINS」・・・不動産流通機構。
このシステムを使って、また詐欺まがいの行為を行っています。売却物件を消費者から預かった不動産業者が、REINSには物件登録したものの、両手取引を狙う為に「他の業者からの問合せ」にウソの対応をしたり、酷い業者は「REINSに登録すらしない…。」こんな事を日常的に繰り返している業界です。「これ、この業界の大手不動産会社の常套手段です。」
さすがに、新聞に業者名までは掲載されていませんが、犯罪行為です。この記事は、是非読んで頂きたいですね。売却不動産の査定で、高値を平気で付けてくる業者には注意しましょう。売主さんの心情はわかります。でも、トンデモナイ旅路への入り口かもしれません。本当の事を言ってくれる不動産業者とお付き合いしてください。
安い金額を提示されて、怒ってもしかたありません。それよりも、何故そんな金額なのかを「冷静に」聞きましょう。本当に良い不動産業者なら、消費者に分からない提案や対応など親身に相談に乗ってくれるはずです。事情の内容によっては、今売らない方がいい…。などのアドバイスだってしてくれるはずです。
そんな不動産業者を探してください。
この記事を書いた人
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