不動産の業界紙からのコラム
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/05/14
不動産に関する問題は尽きません。ここ最近も、いろいろブログには書いてきましたが本当に際限がない感じがします。前回紹介したモラトリアム法の話は鮮烈ですね。不動産業界の新聞(住宅新報)等にも掲載されていましたが…。
■「不動産の価値と住宅ローンの話」
要するに、住宅ローンは20年~30年のローンになる訳で返済方法も返済開始日当初は、ローン元本の返済よりも金利部分の方が多い為、実際の返済は進んでいきません。その事に反して、現在の日本の不動産評価の上では、15年~20年程で建物の価値(戸建住宅の場合)は、ほぼなくなります。すると、不動産のローンの残債よりも不動産の価値自体の方が目減りが大きくなり、住宅ローンの支払いが終わった時には資産価値どころの騒ぎではない。記事にも書かれていましたが「穴の開いた貯金箱」なんて表現を使っていました。
確かにそんな一面もあります。その記事の中で題材に上がっていた不動産は、新築だけでした。過去のブログを見て頂くとお分かり頂けると思いますが中古住宅を題材にすれば、話は全然違ってくると思います。建築後20年程の戸建住宅や、建築後30年超のマンションなどでしたら、ある意味「価値の目減りが終わっている!?」状態に近いでしょうし、販売されている価格も周辺の新築物件に比べて、半値以下の物が多いです。ただ1点注意が必要です。
中古の戸建住宅の場合、ずさんな施工・欠陥住宅などを買ってしまうと、内装・設備のリフォーム工事だけでは終わらず「耐震補強・耐震改修の工事」をしないと危ない物件も沢山あります。
今から40年程前に、「住宅ラッシュ」という時代がありました。その頃は、今からは想像できないほどの好景気で、日本経済も活気に溢れていました。その時代の住宅購入層と言うのが、団塊の世代の人たちで人工的にもこの世代の方は多かったですから、住宅の着工戸数も年間120万戸以上の数字でした。当然ですが、職人さんの数が大幅に不足して、「にわか大工」も激増しました。
当時の好景気にあおられて、工事費などもどんどん値上がりその高い収入目当てに異業種などから大量に流入してきたんです。当時は、プレハブ住宅(2×4など)の住宅も徐々に増えてきて建築部材などもプレカットなどの導入も多くなり始めて従来の大工さんの様に現場で芸術的な能力を発揮できなくても、日曜大工的な感覚で建築工事が出来てしまう環境が広がり始めていまいた。その為、不勉強な職人さんやその職人を使う乱暴な不動産・建設関係者が利益追求第一で沢山の住宅を建築しました。
・ろくすっぽ土地の調査もしないで基礎を安い値段で打つ
・材料や手間をどんどん省く
・使ってはいけない工法・材料で施工する
・安ければ、どんな劣悪な性能の製品でも輸入して使う
・素人並みの工事管理の為、不具合などを助長してしまう
・完成後はクレームに対応しない
上げればキリがありません。
皆さんでも、聞いたことがあると思いますが…。
①ツガ材は良くない!
~良くないのではなく、不良材を大量に輸入して販売した商社がいまして、先の悪い業者や職人が安さに飛びつき、沢山建築した結果そんな噂が独り歩きしたんです。実際のツガ材はそんなに悪い材料ではありません。日本では昔から建築材料として多く使われてきた材料で、木目なども美しい事から、関西などで人気も高いものです。
②カラーベストはスグに色あせしてだめだ!
~こちらも、不良な輸入製品です。もともとカラーベストと言うのはクボタというメーカーの商品名なんです。あまりにも有名になり「味の素」と同じ様な使われ方になりました。こちらも、不良品は5年程度で色落ちが激しい性能も劣悪、但し安い。とこんな様子でした。
こんな住宅がまだまだ沢山市場に残っているのですから、絶対に注意が必要です。
住宅は、外見だけでは性能がわかりません。また、素人だけではどこを見ればいいのかさえ、わかりません。高い買い物をするわけですから、ここに費用をかける必要がありますね。不動産業者任せにしないで、自分で設計士や建築士などに依頼してでも検査をしないと後で大変な事になると思います。知らない方には、教えてあげて下さい。
この記事を書いた人
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