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見落としがちな「天井」の素材選び――頭上に広がる空間だから大切にしたい

Mie

2020/07/13

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見せずにスッキリ、見せて個性的に

今回もベースカラーについてお話を進めてきています。4月からは「床材」「壁材」と順を追ってきましたが、今回は「天井材」について説明していきたいと思っています。

天井は構造体自体ではないものの、内部空間を構成する重要な要素で、光や音を適度に反射させて室内環境を快適に整える役割があります。また、床や壁と違って配置したインテリアなどに隠れてしまう部分は極めて少ない部分です。ただ、天井には照明器具や空調機など住環境に必要な設備が設置されます。さらに天井裏には各種の配管、配線、通換気などがあり、快適な生活空間を維持するためには大切な場所です。

天井仕上げ構法には大きく分けて2つの構法があります。

1つは屋根裏や、2階部分の床構造材を隠して室内をできるだけスッキリとシンプルに美しく見せる方法。

もう1つは屋根の形や梁、母屋の構造材自体そのものを見せて個性的、印象的に仕上げる方法です。

ただ、天井仕上げ材は壁仕上げ材とほとんど同じ素材ですが、天井は触接、手で触れる機会が極度に少ない場所。ですから、壁材としては、汚れの付着によるメンテナンスの頻度、繊細で破損の恐れがあるようなリスクの高い素材であっても安心して使える場所です。つまり、繊細な色彩やデザイン、超高級素材であってもそれほど心配はいりません。

天井仕上げ材に求められる性能

とはいえ、天井仕上げ材だからこそ求められる性能があります。

それは「断熱性」「防火性、耐火性」「耐湿性」「耐水性」「遮音性」「吸音性」「経年劣化に優れている」「光に対しての適度な反射性」「防腐性、防虫性」「耐汚染性」です。

「断熱性」「防火性、耐火性」「耐湿性」に優れている天井仕上げ材は、『無機系天井板/パネル』や『塗装・左官仕上げ』されたものです。

スッキリとシンプルに仕上げたいなら石膏ボードやケイ酸カルシウム版などの『無機系天井板/パネル』。石膏プラスター、ドロマイトプラスター、漆喰などを用いた『塗装・官仕上げ』の天井は、その特徴である継ぎ目の無い美しい天井を作ることが可能です。この特性は性能にプラスして曲線を描くような優美なデザインや左官技術を活かした細やかなディティールなどが可能となります。

「耐水性」「遮音性」「吸音性」に優れているのは『木毛セメント』や『木片セメント』です。これは木材を糸状に削った木毛や木片を防水処理してからセメントと混ぜて板状にプレスした天井仕上げ材です。

「経年劣化に優れている」「光に対しての適度な反射性」「防腐性、防虫性」「耐汚染性」に優れているのは『クロス材』です。特に塩化ビニル材は”天井柄”と呼ばれる多くの種類があります。室内の雰囲気や使用用途にもよりますが、それだけ天井に向いているものが多いのが特徴です。

ただ、注意したいのは各性能には含まれませんが、例えばシックハウス症候群の予防や、和モダン、オリエンタルな空間イメージになどデザイン性を求めたい場合などは、室内の使用用途にもよりますが、天然素材である植物や天然素材の竹、和紙、ケナフ材、天然木、珪藻土などを用いるとよいでしょう。

天井仕上げ材は、頭上の高い位置にある素材のため、床材や壁材と比較すると材質や印象にこだわる人は少数のようです。しかし、選択する素材やデザインによっては、室内空間のイメージや快適さ、居心地の良さに大きく影響を与えるツールとなる場合もあります。居心地の良い空間作りをするにあたっては、天井についても、目を配ってください。


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この記事を書いた人

MIE色彩研究社代表

自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。

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