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猫よけ水入りペットボトルはまったく効果なし むしろ問題が多くなる(2/2ページ)

山本 葉子山本 葉子

2021/08/25

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猫よけにペットボトルはいいことはない

それだけ「外猫が庭先、駐車場や玄関で用を足すのを止めたい」と思っている方が多くいることがうかがえます。

猫好きの方からはそうは思えないかもしれませんが「できれば自分が追い払ったりせずに、苦手なものを置いておけば寄り付かなくなるとありがたい」というような日本的な穏便さもあるような気もします。
 
さて、そうした思いで猫除けを期待して設置した方には大変残念なことですが、このペットボトルは実際には効き目がありません。

猫たちにとっては、水が入っていようが空だろうが、ラベルが付いていようがいまいが、ペットボトルは別に苦手でも嫌いでもありません。

これまでにもたくさん並べて、もはや要塞のようになっているお宅にお邪魔して、オーナーの方にこのことをご説明すると「ここまでやっても効果がないの!?」と、とてもがっかりされた顔をなさっていました。

以前のコラムで、「マンションの植栽やファサードを猫トイレにされないための方法」をいくつかご紹介しました。そこで「平らで乾いていてザクザクできる」猫たちにとっての故郷である砂漠=トイレのような状態を回避すると、被害は途端に減るのです。

つまり、「デコボコさせる」「サラサラしていない」「掘ったりできない」工夫をする――こうした状態をつくることが効果的な方法なのです。

建物のエントランスを街猫のトイレにさせないために

水入りのペットボトルバリケードは、猫たちが来るのを防ぐことはできないだけでなく、実はちょっと怖い話もあります。

私の運営する猫の保護施設は豊島区に猫のシェルターを持っていますが、管轄の消防署のセミナーに参加した際に「収れん現象」という耳慣れない言葉を教えてもらいました。

太陽の光がガラスやそれに類するものを通るときに、反射したり屈折します。そのとき光が一点に集まり、その先に燃えやすいものがあると発火することもあるのです。

これは水入りのペットボトルでも同じことが起きる可能性が指摘されています。

つまり、水入りペットボトルを置くのは

「猫避けにならない」

「火災の危険がある」

「美観も損なう」

「劣化したプラスチックに穴が開くと不衛生」

といいことはありません。。この際ですから、「水入りペットボトル」をおくのは止めてみませんか。

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この記事を書いた人

NPO法人東京キャットガーディアン 代表

東京都生まれ。2008年猫カフェスペースを設けた開放型シェルター(保護猫カフェ)を立ち上げ、2019年末までに7000頭以上の猫を里親に譲渡。住民が猫の預かりボランティアをする「猫付きマンション」「猫付きシェアハウス」を考案。「足りないのは愛情ではなくシステム」をモットーに保護猫活動を行っている。

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