和・洋・中・エスニック…食器にこだわらないテーブルセッティングの幅の広げ方(1/2ページ)
2021/06/02

イメージ/©︎tacar・123RF
和と洋のテーブルコーディネート
今回はテーブルセッティングについてのお話です。
居心地のいい空間としての食事スタイルは、あくまで食べやすく、美しく、和やかに食事が進むことを目的に、席に着いたときの目線やインテリア全体のバランスを考慮してテーブルセッティングをすることが大切です。
例えば、日本の伝統的な食文化様式では、36㎝四方の「膳」のなかで器(食器)の美しさとテーマを表現し、着席人数共通に使われる大皿は中央に配置します。お膳立てを引き立てるポイントは艶やかな「漆黒」や鮮やかな「朱」の漆器の色と、器(お皿)の素材感との組み合わせ(コーディネート)です。
春夏秋冬の季節の移ろいをテーマに、見た目の美しさとともに、涼しさや、清々しさ、温かさなどを、そのときどきの旬な食材、調理方法、盛り付け方によって器の素材選びをします。
和室での食事は庭園の風景や、床の間などに設けられたインテリア(掛け軸、花器、生け花、調度品)などの色味や素材を「膳」のなかでリンクさせることで調和と統一感が生まれます。
研ぎ澄まされた空間のなかでいただく「お膳」は五感も刺激されて味覚もさらにさえることにつながります。
欧米式テーブルセッティングではテーブルクロスとプレート(洋皿)が最も大きな要素となります。
洗練されたコーディネート例の1つとして、プレートに施された装飾のなかの色をテーブルクロスに取り入れる方法があります。あるいは部屋全体の色調や、置かれているインテリアの色から選んでもいいでしょう。
そして、テーマやスタイルに合わせて、テーブル上にキャンドルスタンド、フラワーベース、メッセージカードなどの小物を配置。テーブルクロスと飾られる花や蝋燭、カードなどの小物の色の選び方で、落ち着いたモダンな空間にも、明るく華やかな空間にもなります。こうした配置されたアイテムや小物の種類と色彩のコーディネートで変幻自在な食空間の演出が可能となります。
この記事を書いた人
MIE色彩研究社代表
自由が丘産能短期大学能率課インテリアコーディネーター課程卒業。産業能率大学情報マネジメント学部卒業。東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験認定講師。電子機器製造メーカー、産業機械商社に勤めながら、社会人学生として産業心理学を学び、色彩と人間の意識との深い結びつきに共感。さまざまな社会経験を通して、色彩と人の意識に関わる数多くの実証の基、色彩スペシャリストとして事業を展開。東京都中央区銀座のオフィスではこれまでに培ったパーソナルカラー、空間色彩、商品色彩、カラースクール、色彩セミナーなどを個人、法人を問わず全国で行っている。趣味は街散策。