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築古⼾建ての再⽣は「社会貢献になる投資」 地域再⽣にも寄与していきたい(2/2ページ)

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築古⼾建て購⼊前に確認するべきこと

——どのくらいの期間で、客付けできる状態になりましたか。

購⼊した翌⽉の19年6⽉には日本政策⾦融公庫からの融資がついたので、6⽉初旬に夏休みをとって残置物などを撤去しました。6⽉後半に業者さんの⼿配が完了して、7〜8⽉にリフォーム。外装は友⼈にも⼿伝ってもらいながら⾃分で⼿を⼊れ、9⽉の中頃に全てのリフォームが完了しました。8⽉にはリフォームのめどが⽴っていたため、ウチコミ!に登録し入居者募集を開始しました。おかげさまで、リフォームが完了する前の8⽉末には⼊居者さんが決まったんですよ。

——ウチコミ!では、築古⼾建てをどのようにアピールしましたか。

室内が約70㎡と広かったこと、さらに約36㎡の庭もアピールポイントになりました。そのほか、⼩学校が近いことも記載しておきました。

——最初はどのような⽅が⼊居されたんですか。

猫を飼っているシステムエンジニアの男性の⽅です。コロナ前ではありましたが、⾃宅での仕事が可能だったようで、神奈川県から引っ越してこられました。その⽅はすでに退去されたのですが、現在は、シングルマザーの⽅がお⼦さんと⼀緒に暮らしています。このご家族もウチコミ!で決まりました。

——同じような築古⼾建てを複数購⼊されていますが、購⼊する際に注意していることはありますか。

まずは、その地域の賃貸物件の⼊居状況を調べます。どんなに家賃が安くても、借り⼿がないような場所の物件は購⼊しません。次に周辺の家賃相場を⾒て、賃貸に出したときの想定家賃金額をいくらにすべきか考えます。つまり、その時点で売り上げが決まってくるわけです。私は利回り20%以上を考えていますので、そこから逆算して価格が⾒合えば購⼊します。また、現地では壁などを叩いてシロアリの被害もチェックもします。

時間にメリハリを。家族との時間を守る

——サラリーマンと空き家の再⽣、⼤家業、そしてプライベート。時間のやりくりはどうしているのでしょうか。

物件の管理は⾃主管理ですが、それほど時間はとられません。電気や⽔道のトラブルなどで⼊居者さんから電話がかかってきたら、業者さんを⼿配する程度です。ただ、なにかと連絡が多い⼊居者さんの場合だけ、管理会社に⼊ってもらうようにしています。

——物件探しについてはどうですか。

物件探しをするときには、1⽇有給をとります。同じ地域の物件を5〜6 件まとめて内⾒するようにしています。そのうち1件は購⼊につながるケースが多くあります。契約には半⽇ほど必要ですが、融資のやりとりは電話やメールで済むケースが増えてきました。リフォームに関しては、内⾒したときにだいたいの状態を把握しているので、これも電話やメールで業者さんにお願いしています。リフォームが完了したら、物件の写真撮影に半⽇、あとは⾃宅で間取り図などを作成したりします。そのため、外出に時間をとられるということはあまりありませんね。

——ご家族との時間はどうしていますか。

⼟曜⽇と⽇曜⽇の8時〜20時は、電話対応などを除いて基本的に仕事をしないことにしています。また、平⽇の7時〜8時半、18時〜20時は⼦どもと過ごす時間にしています。 ちなみに、税理法⼈の仕事もフレックスタイム制で、さらにコロナ後は在宅勤務も増えたので、うまく時間管理しながら仕事ができていると思います。

⾃分が持つ知識を無償で提供したい

——さいたま市の地域再⽣プロジェクトにも参加しているそうですね。

『岩槻リノベーションまちづくり』というプロジェクトで、築100年くらいの古⺠家を再⽣する企画に参加しています。6名で会社を設⽴し、今年の5⽉にベーグル屋さんをオープンします。こういった地域再⽣プロジェクトなどの活動を通して、空き家問題の解決にもつながればいいなと思っています。


檮⽊さんが手掛ける5月オープン予定のベーグル屋さん

——⼤家業にも新しい形で影響を及ぼしそうですか。

現在の築古⼾建て再⽣の⽬的は、⼈が住む賃貸物件です。しかし、例えば保育施設や店舗をプロデュースしてくれる⽅に貸し出すことも可能だと考えています。外壁にツタが⽣えていた1棟⽬のような物件であれば、ツタをそのままにして雰囲気のあるフォトスタジオとして貸し出すこともできるかもしれません。そうなると、現在は家賃が売り上げの上限となっていますが、その上限を外すこともできるでしょう。そのため、「最低限、清潔で安全に暮らせる住まい」だけでなく、ストーリー性を考えた住まいについても少しずつ勉強していきたいと考えています。

——今後の展開についてお聞かせください。

築古⼾建て再⽣と地域再⽣活動に加え、スタートアップ⽀援もしていきたいと思っています。すでに、税務会計や不動産に関する情報などをYouTubeで発信していますが、⾃分が持つ知識を必要としている⽅たちに無償で届けていくことが、私の夢のひとつです。

当⾯は、“社会貢献になる投資”を地道に続けていきたいと思います。

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この記事を書いた人

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