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増える自殺・孤独死…、そして事故物件が生まれる(4/4ページ)

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オーナーがするべき対処法はあるのか

では、事故物件オーナーにならないためにできることはあるのだろうか……。清田さんはこう語る。

「リスク軽減をするための最も効果的な予防策としては、賃貸借契約書に室内で自死をしてしまった場合の対処や賠償などを盛り込んでおくこと、またその書面を入居者に意識してもらうことが重要です」

入居者と、物件価値が下がった場合の取り決めを交わしておくことは、自殺などの抑止力にもつながることになるだろう。そして、入居者の親族や勤務先、恋人、友人など、すぐに連絡を取れる人たちを、オーナーや管理会社が把握しておくことも事故物件防止のためには大切なようだ。そして、あきんどの岡本さんはオーナーにこのことを伝えたいという。

「事故物件になってしまったあとは、長期間そのままにせず思い切って問い合わせてしてきてほしいです。そのまま放置していても事実は変わりません。隠すことは難しく、分かってしまったときにはトラブルのもとになるうえに、売却したいと思っても、事件後放置し傷んでしまった物件は、さらに価値が落ちてしまいます」

事故物件は専門業者に任せるべし

あきんどでは、問い合わせ、依頼があれば必ず現地に赴き査定を行う。査定は、取り引きが成立しなくても無料だ。条件が折り合い、契約に至った場合は残置物の処理も含め全て買い取っているという。

仲介を挟まない買い取りなので、仲介手数料も発生しない。通常の売買取引とはいかないであろう事故物件は、知識のある専門業者に任せるのが何より安心であろう。あきんどは、他社で扱ってもらえない事故物件を、売り手も決まらぬまま現金で買い取ることもあるという。精神的な苦痛を早く取り除きたい、売却を急ぐオーナーにも嬉しい。

しかし、このように物件を買い続けて再販できるのだろうか。適正価格がつけられるのか、格安で買い取られるのではないかと疑問に思うオーナーも多いだろう。

「不動産には賞味期限がなく、適切に手を入れておけば腐りません。私たちは、床から壁、ユニットバスその他の水回りまで徹底的にリフォームします。事実は変えられませんが、私たちの手で物件は生まれ変わることができ、新しく明るくなることで暗い面影はなくなります」(清田さん)

このように、専門業者ならではの再販力が、多くの買い取りを成立させているゆえんのようだ。そして、売却に焦っていない場合や、買い取り以外にいい方法がある場合、どの方法がオーナーにとってベストなのかを提案するという。

「一度断られたことがある方や、買い取ってくれるところがないとお悩みのオーナーはぜひ当社までお問い合わせください。今までのノウハウに加え、全国の優秀な建築業者や工務店との提携があり、効果的なリフォームが可能なので、『リフォームしてからでないと買い取りしてくれない』と思い悩んでいる方でも安心していただけます」(清田さん)

最近は賃貸経営のために、事故物件を格安で手に入れたいと考える投資家からの問い合わせも増えているという。タイミングよく販売できるものがあれば紹介しているそうだ。入り口としても、出口としても、事故物件は賃貸経営とは切り離せない存在のようだ。

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