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増える自殺・孤独死…、そして事故物件が生まれる(2/4ページ)

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きっかけは、困っている友人を助けたかった

あきんどは、不動産買取再販を行う「なにわ工務店」のグループ会社である。なにわ工務店は買取再販業者なので、買い取りや再販売のノウハウがあり、リフォームに強い母体があるわけだが、なぜ“事故物件”に特化した買取会社を興したのか。それは、「どこの不動産屋さんにも断られてどうしようもない。助けてほしい」という、あきんど代表、岩崎恵子さんの友人からの依頼がきっかけだったそうだ。

その依頼内容は、親が自宅で亡くなり事故物件となってしまった住宅を手放したいけれど、どこの不動産会社にも断られているとのこと。困り果てた友人に相談された岩崎さん。そのとき、解決策を見出すなかで、このようなケースは今後増えるだろうと考えたという。

事故物件は、イメージダウンを危惧し取り扱いを避ける会社が多く、地場の不動産会社などでは、噂が早くに回ってしまいその後の取り扱いに苦労するという。買取再販業者としての経験は、多くの人たちを助けられるはずだと感じ、事故物件専門の買取会社をつくったという。そして5年が経ち、現在は全国からあきんどへ問い合わせが後を絶たない。

問い合わせの内容としては自殺、殺人、孤独死など生死にかかわるものだけではなく、シロアリの被害物件や再建築不可な物件、ゴミ屋敷など売りにくい条件があるもので多岐にわたる。しかし賃貸住宅においては、生死にかかわるものが多いという。

賃貸住宅の場合 事故物件になってしまったときはどうしたらいいのか

自分の物件で、入居者が亡くなるという突然の出来事により、呆然となってしまう賃貸住宅オーナーも少なくないという。そして、オーナーが一番気がかりなことは、物件の資産価値が下がってしまうことだろう。資産価値が下がってしまうことで、また貸すことができるのか、手放すのか、手放すにしても売却できるのだろうか……、オーナーの不安は尽きないはずだ。

「物件の価値がどれくらい変わるのかというのは、物件、地域、居住者などによってケースバイケースで一概にはいえません。人気の土地で駅前の利便性があるマンションなら、それほど影響はないかもしれません。しかし、地方で住宅が余っているエリアや、新築物件だと、半分以下に下がってしまうケースもあります」(岡本さん)

では、どのようなケースがあるのだろうか。あきんどは買取業者なので、事件発生直後の問い合わせというよりは、ある程度落ち着いたあとの処理段階での問い合わせが多く、どのようなトラブルが発生したかという詳細まで分かることは少ないという。しかし、そのなかでもインパクトがある問い合わせもあるそうだ。

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