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リモートワーク、テレワークにおける不動産投資──投資物件をコワーキングスペースとして活用する場合のメリット・デメリット(1/2ページ)

森田雅也森田雅也

2020/12/17

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イメージ/©︎zofot・123RF

今回は、最近よく耳にするリモートワーク、テレワークと不動産投資の関係についてご説明します。

昨今、コロナウイルス感染症対策のためリモートワークなどを導入している企業が増加しました。しかし、様々な事情から自宅では仕事に集中できないこともあるため、コワーキングスペースを活用して仕事をする人が増えました。

そこで、不動産投資の活用方法としても、投資物件をコワーキングスペースにすることによって収入を得る方法が注目を集めています。

コワーキングスペースとシェアオフィスの違い

コワーキングスペースとは、オープンスペースのような広い空間で様々な業種の人が独立した仕事を行う共同スペースです。デスクのみならず、会議室や打ち合わせ場所なども備えていることが多いです。イメージとしては、図書館や大学の講堂などです。

これに対して、シェアオフィスとは、個室や専用ブースなどもあり一時利用より長期的に利用される方向けのスペースとなっています。こちらのイメージとしては、さまざまな種類がありますが、個室型の自習室といったイメージとなります。

不動産投資におけるメリット・デメリット

では、投資物件をコワーキングスペースとして活用する場合どのようなメリット・デメリットがあるかを紹介いたします。

〈メリット〉
・利用者を増やすことで収益性を高めることができる
・ドロップインなどによる一時収入も得られる
・規模の小さな物件でも始めやすい
・初期費用が比較的安く抑えられる
・遊休不動産の有効活用ができる
・事業変更がしやすい

といった点があげられます。

コワーキングスペースは、1つのスペースに対して多くの人に利用させることが可能です。オフィスや居住用の賃貸のように、1つのスペースに1利用者という関係ではないため、利用者が増えればその分だけ収入を増やすことができます。

また、ドロップインとは、当日利用などの一時利用のことをいいますが、日ごとに収入があるので備品の購入など雑費や緊急時の費用にその収入を充てることができます。

また、コワーキングスペースとして貸していた物件を、居住用物件や事業用物件として貸したいといった場合にも、コワーキングスペースの利用契約には基本的に借地借家法が適用されないため、比較的容易に事業変更をすることができます。ただし、月額会員との一方的な契約解除は消費者契約法などに抵触する可能性がありますので注意が必要となります。

〈デメリット〉
・集客が軌道にのるまでにコストと時間がかかる
・運営費がかかる
・月ごとの収支にばらつきがある

といった点があげられます。
 
コワーキングスペースは徐々に増えてきており、競争も激化しています。そのような中で固定客をつかむためには、インターネット広告などを利用して認知度を高めていく必要があり、コストも時間もかかる場合があります。

また、デスクや椅子、貸出品やWi-Fiの契約費、コーヒーなどのサービス、電球の交換などの維持費や運営スタッフの人件費などが必要となってきます。

利用者が増えたとしても、ドロップインの需要が多い物件については、年末年始やお盆など会社が休みの期間や、曜日や天候によっても収入にばらつきがでてくるリスクはつきものです。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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