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新型コロナウイルスで注目度アップ ! タブレットを水に溶かすだけ「次亜塩素酸水」の使い勝手

小川純

2020/05/22

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次亜塩素酸が注目される理由

新型コロナウイルス対策の必需品といえば、なんといってもマスクと消毒用アルコール2つである。中でも日々の手洗いは、新型コロナウイルスの感染予防には欠かせない。とくに外出先では除菌アルコールに手の消毒はスーパーマーケットやコンビニ、飲食店の入り口には必ず置かれている。もはや、店に入るときの手の除菌は当たり前。スーパーマーケット側は購入した商品を袋などにつめる“サッカー台”や、飲食店でのテーブルやイスのアルコール消毒は店側の常識となっており、新型コロナウイルス禍が収束してもこうしたことは続くだろう。

細菌やウイルスの消毒で、アルコール以上に除菌効果が高いとして注目を集めているのが「次亜塩素酸」だ。

これまでも次亜塩素酸はインフルエンザやノロウイルスの流行などの際に、手の消毒やテーブル、イスのなどの消毒。ノロウイルスでは、感染者の吐しゃ物の後片付けのなどにも利用されてきた。加えて、今回の新型コロナウイルスの流行においては、消毒用のアルコールが不足したこともあって、俄然、注目度が高くなった。しかし、次亜塩素酸はアルコールの代用品というよりも、じつはアルコールよりも高い除菌力があることはあまり取り上げられていない。 

成分が違う2つの次亜塩素酸

こうした除菌力の高さから新型コロナウイルス予防として注目されている次亜塩素酸だが、成分によって「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」という2つの種類に分けられる。

一般的に次亜塩素酸というと次亜塩素酸ナトリウムを指す。除菌力で見ると、次亜塩素酸ナトリウムも、次亜塩素酸水もいずれもクレゾール石けんやアルコールより高く、インフルエンザやノロウイルスなどウイルスに対しても高い除菌力を発揮する。しかし、次亜塩素酸ナトリウムはボツリヌス菌などの芽胞菌には効果が低く、アルカリ性のため扱いに注意が必要だ。さらにノロウイルスの感染者の吐しゃ物を片付けなどでは、濃度の濃い次亜塩素酸ナトリウム溶液が用いられ、その際に発がん性物質のトリハロメタンが発生することから、それを防護するマスクやゴーグルが必要で扱いに注意が伴う。 

一方、次亜塩素酸水はpH値によって次のように3つに分類されている。
   
1) pH2.7以下/強酸性次亜塩素酸水
強酸性の次亜塩素酸水で、金属等を腐食させ塩素ガスが発生させるため、取り扱いには十分注意が必要。

2) pH2.7~pH5.0/弱酸性次亜塩素酸水
弱酸性といっても、pH値の幅が、pH2.7からpH5.0と広く、強酸性次亜塩素酸水ほどは金属などへの腐食性はないが、人体に影響があるため、取り扱いには注意が必要。

3) pH5.0~pH6.5/微酸性次亜塩素酸水
細菌類、ウイルス等の不活性化には絶大な効果を発揮する次亜塩素酸水で、HP値が中性に近い状態なため、人体にとっても優しく、仮に誤飲してしまっても人体に全く問題のない状態のもの。
   
人の手などの除菌に使われる次亜塩素酸水はこの「微酸性次亜塩素酸水」になる。微弱性次亜塩素酸水の成分は99%以上が水で、見た目は無色透明。消毒のために手付けると、水泳のプールなどで感じる消毒剤の臭いを若干感じるものの、その臭いはすぐに消えてしまう。当然のことながら、人体にはまったく影響はない。

しかし、その除菌力は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムでは除菌できないボツリヌス菌などの芽胞菌に対しても有効なうえ、新型コロナウイルスのような表面が膜状の構造になっている「エンベロープ(ウイルス)」にも高い除菌効果を持つ。安全性という面でも、微酸性次亜塩素酸水は2002年に食品添加物として指定されている。実際、この微酸性次亜塩素酸水は、食品工場や、身近なところでは歯科での治療の合間に行う、うがいの水に使われている。

さらに新型コロナウイルスに対しては、ミスト状にして、継続的に噴霧することで室内や空間を除菌する“ゾーンディフェンス”効果が高いことも実証されている。実際、新型コロナウイルスによる被害が顕著になりはじめたころに開催が予定されていたファッション系のイベントでは、会場内の天井にパイプめぐらせ、そこから次亜塩素酸(ナトリウム)のミストを噴霧。新型コロナウイルス対策が検討されたこともあったという。

タブレットになってぐっと身近に

こんな人体にも影響がなく、除菌力も高い微酸性次亜塩素酸水(以下次亜塩素酸水)だが、使い勝手という点ではマイナス部分もあった。

それは主に水溶液のかたちで販売されているため、長期保存できないということがネックになっていたのだ。こうしたこともあってか、利用先は食品工場など業務用がほとんどで一般消費者にとっては馴染みがあまりなかった。

しかし、2018年11月に水に溶かすだけで簡単に次亜塩素酸水ができる『ジアグリーン・タブレット』が発売されて、身近な存在になってきた。

その仕組みは、「トリクロロイソシアヌル酸」という成分を加水分解し、微酸性の次亜塩素酸水を生成できるタブレット化にすることができるようになったという。

「タブレット化したことで長期保存が可能で、運搬コストも低く抑えられるようになりました。これまで次亜塩素酸は、一部に粉末のものがありますが、ほとんどが水溶液で、粉末状態のものも含め、製造後、流通過程におかれた瞬間から、時間の経過と共に劣化が進んでしまいます。一方、ジアグリーン・タブレットは、密封包装で販売しているので、未開封状態であればおよそ2年間の長期保存ができ、性状変化がありません。ただ、いったん水に溶かした次亜塩素酸水は、30日以内にご使用いただきますよう推奨しています」

こう話すのは『ジアグリーン・タブレット』の販売代理店で広報を担当しているクリードの霜田敬洋さんだ。『ジアグリーン・タブレット』の流通にあたっては、密封包装についても試行錯誤を重ねたという。

「塩素系の成分ということもあって、包装部分を腐食させたり、空気に触れることで化学反応が起こりガスを発生させて包装そのものが膨張するなど、安定したかたちで流通させることが大きな課題でした。そこで包装の素材選びから化学反応を起こらないようにする構造を一から考え、この包装自体も特許も取っているのです」と話す霜田さん。

こうした問題をクリアし、現在、発売されているのは、0.5g=500mlのスプレーボトル用と1.3g=4.5Lの常設型噴霧器用の2種類。


左)ジアグリーン タブレット500(0.5L用/5包入)1925円/右)ジアグリーン タブレット5000(5L用/10包入)4950円(いずれも税込み))

タブレットの開発と合わせて、ハンディの専用スプレーボトルの『シュッシュ』も開発。『シュッシュ』はワンプッシュで定量(1.25cc)を噴射すると同時に次の噴射定量をチャージする仕組みで、使い勝手はガスによって噴射するスプレーボトルのような感じで、ボトルを逆さにしてもご利用できる。 


左)ジアグリーン「シュッシュ」 ミストスプレー(蓄圧式定量噴射) スプレーボトル本体+タブレット2錠付 2200円(税込)/右)ジアグリーン「プランジェ」 超微粒子次亜塩素酸水噴霧器 5万7200円(本体のみ・税込)

ミクロの超微粒子で空間を除菌消臭

一方、据置型噴霧器の『ブランジェ』は、超微粒子の状態で次亜塩素酸水を発生させ、室内の空気を除菌・消臭するというもの。

「ブランジェは、食品工場、高齢者施設、病院、自動車ディーラーなどで採用されています。食品工場ではカビの発生がなくなったといったお声をいただきました。また、高齢者施設ではトイレの近くに設置したところ、トイレの臭いがしなくなったということです」(前出・霜田さん)

このフランジェのこだわりは、1ミクロンの超微粒子にこだわったことにある。霜田さんがこう説明する。

「特殊な振動体によって1ミクロンという超微粒のミストは、ほとんど自に見えないもので、空気のように軽く、落下せずに空気中に残ります。そのためその一体の空間は常にゾーンディフェンス状態で除菌されます。また、室内の隅々まで行き渡り、粒子が天井、壁、カーテン、床に付着して、除菌・消臭の効果を発揮します。喫煙室などで使用すれば壁に染みついた臭いを引き剥がしてくれます。ただ、除菌・消臭だけで汚れが落ちるということはありません」

こうしたことから次亜塩素酸は賃貸住宅における環境管理のために、大手賃貸住宅管理会社やエレベーター管理会社に導入もされている。

「エントランスやエレベーターに設置すれば室内を常にクリーンに保ち、外から入ってきた人の服に着いている除菌効果は得られると思います」(霜田さん)

エントランスやエレベーター内がまさにクリーンルームの役割を果たすようになるというわけだ。共有スペースのウイルス対策を行いクリーンで、安心安全な状態にしておくことも、他の賃貸住宅との差別化につながるだろう。

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この記事を書いた人

編集者・ライター/ファイナンシャルプランナー

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナー(AFP)の知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。 叶舎合同会社の代表を務める。 https://www.kanausha.tokyo/

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